パナソニック コネクトと金沢大学は9月14日、共同研究の成果として、「電磁ノイズの二次元可視化システム開発」「電界分布の広帯域測定のための積層型メタサーフェスの等価回路解析」「現場における電磁ノイズ可視化に向けた広帯域メタサーフェスの性能評価」を、それぞれ学術団体で発表したと発表した。
電磁ノイズの二次元可視化システム開発は、米ミシガン州で開催したIEEEにおける「EMC+SIPI 2023/2023 IEEE International Symposium on Electromagnetic Compatibility, Signal & Power Integrity」で8月3日に発表した。
電界分布の広帯域測定のための積層型メタサーフェスの等価回路解析と現場における電磁ノイズ可視化に向けた広帯域メタサーフェスの性能評価については、札幌市で開催したURSIにおける「第35回国際電波科学連合総会/URSI GASS 2023/35th URSI General Assembly and Scientific Symposium」で8月22日と24日に発表した。
両者によると、いずれの研究成果も世界初の発表という。
今回発表した電磁ノイズ可視化システムの特徴として両者は、1)サイズ0.03㎡/重量3kgの優れた可搬性によりリアルタイム測定が可能、2)セットアップ/測定時間は約5分、3)秒オーダーのバースト・ノイズ測定が可能の3点を挙げる。
リアルタイム測定に関して、新システムは、A4サイズのメタサーフェス、リアルタイム・スペクトラム・アナライザ、PCで構成し、重量は3kgのため現場へ持ち運びが容易といい、電子機器が放射される電磁ノイズを瞬時にリアルタイム測定できる。
セットアップ/測定時間については、1つの電磁ノイズ条件の可視化につき、セットアップから測定まで約5分と従来比で約85%削減し、現場の測定作業の効率化が可能。
秒オーダーのバースト・ノイズ測定については、アレイ型に並べたセンサで取得した電磁ノイズをRFスイッチで高速に切り替えるため、1秒以下でのリアルタイム表示ができる。
両者は今後も、現場で電磁ノイズのトラブルを抱えるユーザー企業がEMC対策を効率的に実施できるよう、電磁ノイズ可視化システムの性能をより向上させ、EMC対策で困っているユーザー企業に貢献する研究開発を推進していくとしている。