ビデオリサーチ、LIVE BOARD、NTTドコモ、電通、博報堂DYメディアパートナーズは9月14日、テレビとWebとDOOH(Digital Out of Home:デジタル屋外広告)トリプルメディアで広告効果を可視化することを目的に、匿名かつユニークなIDをキーとしたデータ連携について実証実験を開始することを発表した。

この実証では、どのメディアでどの広告を見た人がどのような意識変化や行動変容を起こしているかを把握するのだという。実証期間は9月15日から同月29日まで。

  • 実証実験の概要

    実証実験の概要

今回の実証実験は関東の特定エリアを対象として、ビデオリサーチグループが保有するテレビ・Webへのメディア接触データと生活者意識データ、およびLIVE BOARDが広告配信ログを利用して加工したデータなどを広告IDをキーとしてデータ連携する。

また、テレビ、Web、DOOHのそれぞれのメディアへの接触頻度で生活者をグルーピングし、各グループにおける生活者のプロファイリングを実施する。さらに、アンケート調査によりDOOH接触が意識変化や行動変容にどのように寄与したかを深掘りする予定だ。

その結果を踏まえて、電通と博報堂DYメディアパートナーズが携わる実際のキャンペーン広告を「テレビ×Web×DOOH」のトリプルメディアで表示し、DOOHへの接触が実際にどれだけの広告効果を示したのかを各社のキャンペーンごとに検証するという。

電通および博報堂DYメディアパートナーズがこれまで行ってきたキャンペーンの実施事例と、LIVE BOARDのDOOHに特化した分析技術に加えて、テレビ視聴データを持つビデオリサーチの分析ノウハウと、NTTドコモ独自のAI(Artificial Intelligence:人工知能)分析エンジンを活用することで、新たな広告価値を探る。

2022年の電通の調査によると、交通広告を含めた屋外広告の広告費は総広告費の約6%を占める約4200億円となっており、前年比では102%だという。特にDOOHは生活空間の中に自然に溶け込むことができるという屋外広告の特徴に加えて、ターゲットや時間帯、シチュエーションに合わせた広告配信が可能であることや、位置情報データとの連携により効果検証が可能であることといった強みが注目されている。