Samsung Electronicsが自社の後工程(パッケージング)工場にて、一部を無人化したラインを立ち上げただけでなく、2030年までにパッケージング工場全体を無人化する目標も掲げたと韓国の電子産業専門メディアetnewsが報じている

同紙によると、8月末に韓国の水原(スオン)で開催された「2023 Next Generation Semiconductor Packaging Equipment and Material Innovation Strategy Conference」にて、Samsung ElectronicsのTSP(テスト&システムパッケージ)事業部門責任者を務めるキム・ヒヨル氏が基調講演で、2023年6月よりソウル近郊の天安市と隣接した温陽市のパッケージング工場にて、無人化生産ラインの稼働を一部開始したことを述べたという。

この無人化により、製造に必要とする人員が85%削減されたほか、設備故障の発生率も90%減少、設備全体の効率も約2倍向上したという。一般に半導体パッケージング工程は前工程に比べて多くの人員が必要で、この人員を削減できるインパクトは大きいといえる。

同社は、ウェハ搬送装置やエレベーター、ベルトコンベアなどの搬送設備を整備することで、一部のラインながら完全自動化を実現したとしており、自動化により工程中の待ち時間や移動時間の短縮が図ることができるようになり、それが生産効率の向上につながったと説明している。ちなみに、これまでパッケージング生産ラインにいた人員の多くが生産ライン外の統合管理センターに配属され、設備の管理や異常の有無の確認などを担当しているという。

なお、今回の取り組みは同社のパッケージング生産ラインのうち20%ほどでの取り組みで、今後、同社では2030年を目標にパッケージング工場全体の無人化を図っていく計画だとしている。

  • 半導体パッケージング工程の一部を無人化したSamsung Electronicsの温陽事業所全景

    半導体パッケージング工程の一部を無人化したSamsung Electronicsの温陽事業所全景 (出所:Samsung Electronics Media Library)