OKIは9月12日、九州旅客鉄道(以下、JR九州)と共に、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を活用した案内システム「AI駅員」のサービス提供に向けた実証実験を10月2日から開始することを発表した。
今回の実証実験では、鹿児島本線の香椎駅と長崎本線の諫早駅に、AI駅員を搭載した端末を設置する。このAI駅員はOKIの接客支援ミドルウェア「CounterSmart」を活用したAI対話エンジンを採用しており、鉄道利用客の応対で多部分を占める駅構内案内や乗換案内などを、AIチャットボットが代替可能だ。
CounterSmartは、AI対話エンジンによる無人応対と音声・映像・画面共有によるリモート支援によって接客を支援するミドルウェア。OKI独自の雑音除去技術を使用しており、利用者が操作するエリア音のみを収音するエリア収音マイク「X-Beamforming(クロスビームフォーミング)」や、騒音環境下でも利用者に音が届きやすい指向性のあるスピーカーを搭載する。駅構内などの騒音環境下においても端末利用者と遠隔地にいる駅係員がスムースに会話できるという。
AIチャットボットで解決できない問い合わせについては、遠隔案内機能で駅係員へ直接確認もできる。この遠隔案内機能は外国人旅行者への応対やバリアフリーを考慮し、音声・映像通話に加えて、画面共有やリアルタイム多言語翻訳、筆談などにも対応する。
駅の利用客は自身のスマートフォンからAI駅員に問い合わせることもできるようだ。OKIらは端末を利用することに抵抗がある人でも利用できる仕組みを構築することで、システム利用者数の向上とサービスの継続的な改善を目指すとしている。