STMicroelectronicsは、電磁調理器、インバータ式の電子レンジ、炊飯器といった生活家電を含むIH調理器や産業機器向けに最大動作温度175℃を実現した1350V耐圧のIGBT「STPOWER IH2シリーズ」を発表した。

同シリーズは、低飽和電圧(Vce(sat))を実現しており、ターンオン時の損失を低減することができるため、電力変換効率の向上を可能とするほか、フリーホイール・ダイオードは電圧降下が低く、ターンオフ・エネルギーが最適化されているため、16kHz～60kHzの周波数で動作するシングル・スイッチ疑似共振コンバータの効率向上が可能だと同社では説明しており、例えば2kWのアプリケーションにおいて、最大11％の消費電力削減に貢献するという。

また、Vce(sat)は正の温度係数を持ち、製品間のパラメータ分布のばらつきが小さいため、設計の簡略化に貢献するとともに、より高電力のアプリケーション向けに複数のIGBTを簡単に並列接続することもできるという。

なお、同シリーズの最初の2製品である「STGWA25IH135DF2」(25A)および「STGWA35IH135DF2」(35A)はすでに標準のTO-247(ロング・リード)パワー・パッケージで量産出荷を開始しており、1000個購入時の単価は、STGWA25IH135DF2が約1.39ドル、STGWA35IH135DF2が約1.69ドルとなっている。

  • 1350V耐圧のIGBT「STPOWER IH2シリーズ」のパッケージ外観

    1350V耐圧のIGBT「STPOWER IH2シリーズ」のパッケージ外観