帝国データバンクは9月10日、2023年1月1日から、2023年8月31日までにかけての「建設業」の倒産発生状況について伝えた。2023年に発生した建設業の倒産は、8月までに1082件に達したことがわかった。
今年は既に22年通年の件数(1204件)に迫っているほか、8月までの累計で1000件を突破したのは2017年以来6年ぶりだったとのこと。
また、6月に単月で160件に達し、2014年10月以来約9年ぶりの高水準となっており、同社はこのペースで推移すれば、年内の建設業倒産は1600件を超え、過去5年で最多となることが確実となったと指摘している。
倒産の要因としては、引き続き「物価高」の影響が続いたことが挙げられている。今年は22年に比べると価格の上昇は穏やかだが、鉄骨や木材などの建設資材価格の上昇が止まらず、物価高が要因となった倒産は最大で2割に迫ったとのこと。
さらに、最近は職人の高齢化に加え、若手や新卒人材の応募が少ないなど、人材不足が目立つほか、給与に不満を持つ建築士や施工管理者など業務遂行に不可欠な資格を持つ従業員の離職・独立により、工事の受注や、施工そのものがままならなくなった中小建設業者の倒産が目立ち始めたとしている。
同社の調査では、建設業の約7割で「人手が不足している」状態で、うち5%の企業では「非常に不足している」状況にあり、コロナ前(19年)を上回るなど、物価高以上に職人不足の影響が建設現場で深刻化していることがわかっている。