leadNVIDIAが、AI半導体向け先進パッケージ「CoWoS」で必要となるシリコンインターポーザをUMCに対して、超緊急対応(スーパーホットラン)で発注したと台湾メディアが報じている。
NVIDIAが、AI(人工知能)半導体向け先進パッケージ「CoWoS」で必要となるシリコンインターポーザをUMCに対して、超緊急対応(スーパーホットラン)として発注をかけ、UMCがオファー価格を引き上げる形でこれに応じたとの見方が台湾半導体業界から出ていると台湾の大手紙「経済日報」が報じている。
それによるとTSMCのCoWoS生産能力に限りがあり、希望する生産量が確保できないNVIDIAが、UMCに超緊急で発注したという。OSAT大手のASEも、NVIDIAのCoWoSプロセスのライン認証を受け、緊急対応に対する価格を値上げする形でNVIDIAからの発注に備えているともしている。UMCとASEは、市場のうわさについてはコメントしないとしている。
なおNVIDIAは、TSMCの2022年売上高の5%を占めており、同社の顧客順位5位の立場にある。
TSMCのCoWoS生産能力の増強が需要に追い付くのは1年以上先
TSMCのMark Liu会長は9月6日の記者会見で、「生成AIによって引き起こされた最近のAI半導体不足は実際にはTSMCの前工程生産能力の不足によるものではなく、CoWoSの需要が増加したことよるものである」と述べたと台湾メディアである「經濟日報」が伝えている。
それによるとTSMCは短期的には可能な限りサポートに努めるつもりだが、ここまで急に増加した需要に対応できるだけの生産能力を一気に構築することは不可能だという。Liu氏は、TSMCのCoWoS生産能力は順次拡充を図っており、約1年半で需要に追いつくだろうとの見通しを示しており、生産能力の不足は短期的な現象となるものとしている。