ネオジャパンは9月6日、2023年9月27日に東京証券取引所グロース市場への上場を予定しているAVILEN(アヴィレン)と共に新サービスおよび協業に関する発表会を開催した。
発表会には、ネオジャパン 代表取締役社長 齋藤晶議氏、アヴィレンの代表取締役 髙橋光太郎氏、ネオジャパン マーケティング統括部の山田志貴氏、アヴィレンの執行役員である太田拓氏が登壇し、発表を行った。
本稿では、その一部始終を紹介する。
「desknet's NEO」最新版では追加費用なくChatGPT搭載機能が利用可能に
今回、ネオジャパンが提供するグループウェア「desknet's NEO」にOpenAIが提供するChatGPTとの連携機能を搭載した最新バージョンの「V8.0」が発表された。同製品は2023年9月28日から提供開始される。
加えて、同日よりアヴィレンと共に、個別のカスタマイズが可能なChatGPTの研修プログラムも提供開始するほか、2023年6月に発表したビジネスチャット「ChatLuck」と「ChatGPT」の連携機能も提供がスタートする。
「desknet's NEO」は、組織内の情報共有とコミュニケーションをデジタル化することで業務効率化と生産性向上を実現する国産ソフトウェア・サービス。
「desknet's NEO」は1999年に市場に参入し、グループウェア(企業などの情報共有やコミュニケーションを円滑にし、業務効率化を実現するためITツール)として、スケジュール管理からノーコード開発まで業務課題をワンストップで解決することで、DX推進を支援しているという。
今回発表された「V8.0」は、生成AIであるChatGPTによるAIアシスト機能を搭載したもので、組織内でChatGPTを活用する環境をグループウェア上に構築し、企業の管理者が利用者に安心してChatGPTを使用してもらえるような仕組みを提供している。
「今回『desknet's NEO』の追加機能として、ChatGPTへの問い合わせや回答が行える機能を標準装備しました。これにより、さまざまな日常業務で、生成AIを効率的に活用できるようになります。また、入力情報は安全性が担保されているため、管理者は安心して社内に展開することができます」(齋藤氏)
OpenAIのChatGPTのほか、マイクロソフトのAzure OpenAI Serviceにも対応してしており、モデルもGPT-3.5またはGPT-4から選択できる。また、最新版にバージョンアップした後は、すべての顧客が追加費用なく利用可能となっている。
ChatGPTをビジネスで活用するには「リテラシー」と「ノウハウ」が重要
ここまでバージョンアップデートの詳細について紹介してきたが、今回、生成AIの具体的な活用方法が学べるChatGPT研修プログラムも開催される。
ChatGPTをビジネス上で効果的に活用していくには、一定以上のリテラシーと使い方ノウハウが欠かせないと、髙橋氏は語った。
「ChatGPTの活用を検討する前に、一定以上のリテラシーと使い方ノウハウを学ぶ必要があります。なぜなら、ChatGPTの情報のアップデートが速くキャッチアップできないという問題や、ChatGPTを業務に活用するための方法が分からない、従業員に情報漏洩やバイアスなどのリスクを正しく認知してもらう必要があるといった課題があり、活用前の準備が欠かせないからです。今回提供される、ChatGPTビジネス研修では、ChatGPTビジネス活用の基礎を学ぶことができます」(髙橋氏)
「ChatGPTビジネス研修」は、ChatGPTの基礎からビジネス活用までを一気通貫で学習することができるもので、インプットだけでなくアウトプットも行うことで自社内でのChatGPTを活用するアイデアを創出するという。
研修は5つのステップに分かれており、「ChatGPTとは」「ChatGPTでできること」「リスクと考え方」「活用応用編」という内容を学ぶeラーニングと、最終段階としてChatGPTを自社内で活用するための企画ワークとなっている。講座価格は1人あたり1万1000円。
発表会の締めには、山田氏が今後のdesknet's NEOの展望について、以下のように語った。
「今回提供する初期バージョンでは、素のChatGPTとの会話を提供します。なぜなら、ChatGPT側が持つ学習情報をベースとした質問・回答に対応することで、まずは『AIに慣れてもらう』ことに焦点を当てているからです。今後は、desknet's NEOに蓄積された、利用企業が保有している情報やノウハウとChatGPTを密に連携させることで、さらなる高度な機能を実現していきたいと考えています」(山田氏)