ソニーは9月5日、同社が販売するにおい提示装置「NOS-DX1000」の関連商品として、用途に合わせて最大40種の嗅素をユーザー自ら注入可能なカスタムカートリッジ「NOS-CK10」を12月に発売することを発表した。また、NOS-DX1000でのにおいの提示方法をカスタマイズできる専用アプリケーション「Scent Canvas(セントキャンバス)」を、本体購入時に付帯するサービスとして同時に提供開始することも発表した。

  • におい提示装置「NOS-DX1000」

    におい提示装置「NOS-DX1000」 (出所:ソニー)

同社のにおい提示装置は、均一に提示する独自開発技術「Tensor Valve(テンソルバルブ)」テクノロジーを搭載し、多数のにおいの素(嗅素)を手軽に制御できる商品。におい提示装置は、これまで嗅覚関連の研究用途を中心に医療業界などで活用されてきたが、食品業界をはじめとして使用したいという声があがっており、そうしたニーズに応えることを目的に関連商品の展開を決定。幅広い業務用途へ活用を目指すという。

カスタムカートリッジ「NOS-CK10」は、嗅素を注入する容器(サブカートリッジ)を計40個同心円状に配列した構成で、最大40種の嗅素を手軽に制御し、混在させずに均一に提示することを可能とする。気密度の高いカートリッジ構造により、強いにおいの嗅素を取り扱う際もにおい漏れを抑制することが可能だという。また、カートリッジ本体からサブカートリッジを着脱して開閉する作業時に用いる専用工具(カートリッジクランパー)も用意。これを用いることで、強いにおいも気密度高く密閉することができるともしている。

  • においの素(嗅素)を注入するカスタムカートリッジ「NOS-CK10」

    においの素(嗅素)を注入するカスタムカートリッジ「NOS-CK10」 (出所:ソニー)

一方の専用アプリケーション「Scent Canvas」では、用途に合わせて40種類の各嗅素のイメージをタップすることで、においを瞬時に提示することを可能とするもの。最大40種のにおいを素早く切り替えて提示することができ、手軽に複数の嗅素の比較や参照ができるほか、においの種類やにおいの提示パターンをカスタマイズし、嗅覚測定や嗅覚のトレーニング、店頭でのにおいサンプル提示、においにまつわる研究や測定など、さまざまな用途での活用が可能になると同社では説明している。

  • におい提示装置「NOS-DX1000」の利用シーンと「Scent Canvas」のイメージ

    におい提示装置「NOS-DX1000」の利用シーンと「Scent Canvas」のイメージ (出所:ソニー)

また、テスト機能として、提示されたにおいに対して、選択肢から正解を1つ選ぶ、もしくは複数においを提示した時に異なるにおいのものを選ぶなどテスト形式のにおい提示を設定することも可能。3種類のテンプレートが用意されており、嗅覚能力の評価やトレーニングの用途に活用することもできるという。