AI(人工知能)技術を開発するRidge-iは9月5日、北海道大学動物医療センターと共同で、猫の胸部X線画像から骨を除去するAI技術の開発に成功したことを発表した。同技術を活用することで、骨以外の組織や病変に焦点を当てやすくなり、獣医師の読影診断精度の向上につなげる。
人間のX線画像における骨除去において、ニューラルネットワークなどの機械学習の手法を使用する場合、通常、同一人物で同一の姿勢の「骨ありX線画像」と「骨なしX線画像」のペアのデータセットをもとに行われる。しかし、犬や猫などの動物の骨除去の場合、同一の姿勢を取り続けることが困難であるため、「骨なしのX線画像」が得られないケースが存在するという。
両者は、X線画像以外の医療画像を適切にX線画像と融合することで、「骨なしのX線画像」が欠如している状況でも、骨除去を行う機械学習モデルの開発に成功した。より早期の病気発見や治療にもつなげたい考え。特に胸部X線からの骨除去は、心臓疾患や呼吸器系の疾患など、さまざまな病状の診断に重要な役割を果たすことが期待されるとのことだ。