横河ソリューションサービス、横河レンタ・リース、パナソニック コネクトの3社は8月31日、プラントの保守効率の向上と安全操業に向けたデジタル・トランスフォーメーション(DX)の実現を支援する多様なソリューションの提供に向けた協業を開始すると発表した。
横河ソリューションサービスが持つ計測・制御・情報技術と、パナソニック コネクトが持つ無線ネットワークや画像センシング技術などを組み合わせ、現場の作業効率化・自動化・自律化に資するソリューションを提供していく。
加えて、横河レンタ・リースが持つレンタル/リース・スキームの活用により、ユーザー企業の投資リスクを軽減させDX導入の判断を加速させていく。
協業の第1弾として、9月1日からローカル5G(第5世代移動通信システム)の実証実験向けに、ネットワーク機器と各社のソリューションを組み合わせたローカル5G導入検討用レンタル・パッケージの受注を開始する。
同パッケージはローカル5G対応ネットワーク機器のレンタル・サービスであり、端末のレンタル費用、コンサルティングを含むソリューション、システム設計、ネットワーク設計、工事などの費用は含まず、最短期間は3カ月。
初期費用を抑えながら手軽に実証実験の実施が可能といい、現場(ユーザー企業敷地内)にローカル5Gコア/基地局を設置し、高セキュリティ運用やBCP(事業継続計画)対策に特化した無線ネットワーク環境を構築する。
電波伝搬や通信速度等の実測値の測定に加え、ユーザー企業のニーズやユースケースに合わせた最適なソリューションをセットで提供するとのこと。
なお、ユーザー企業側で本免許または実験試験局免許の取得が必要だが、パナソニック コネクトによる免許取得支援/免許代行申請も可能。提供エリアは日本国内で、価格は月額291万5000円から。
今回の協業において横河ソリューションサービスは、サービス・ソリューション契約の窓口を担う。
同社のノウハウを生かし、保守効率の向上と安全操業を追求するユーザー企業の困りごとに関するコンサルテーションを行うと共に、YOKOGAWAの制御事業の包括ブランドである「OpreX」のラインナップから、ローカル5G技術を効果的に使用したソリューションをユーザー企業に提案する。
横河レンタ・リースは、レンタル商品のラインナップとレンタル運用ノウハウの強みを生かし、ローカル5Gネットワーク構築に必要な機器やソリューションに必要な機器のレンタル・リースサービスを提供する。
パナソニック コネクトは、ローカル5G機器を横河レンタ・リースを通じてレンタル/リース・サービスとして提供する。
また、要望に応じて実証実験の実測・評価の支援まで行い、さらには本格導入に向け、マルチ・アクセス機能による不感エリア対策やBCP対策を最重要視したオンプレミス設計、高セキュリティなど、現場の知見・ノウハウを生かし、プラントのニーズに沿ったシステム設計の協力を行うとのこと。
今後3社は、ローカル5G導入検討用レンタル・パッケージの提供を通じて知見やノウハウを蓄積し、ローカル5G基盤とロボティクス、AI(人工知能)、クラウド、無線センサ―、画像センシングなど最新のデジタル技術を組み合わせ、保守効率の向上と安全操業、さらには生産性向上に向けたユーザー企業の困りごとに沿ったソリューション・サービス群のラインナップを順次拡大していく。
協業を通じて3社それぞれの特徴を生かしたプラットフォーム・ビジネス・モデルを共同で構築し、プラントのDXに貢献するとしている。