ヤンマーは8月30日、グループ会社であるヤンマーエネルギーシステム(ヤンマーES)が同社岡山試験センター内に、脱炭素化の実現に貢献する水素発電システムなどの実証施設「YANMAR CLEAN ENERGY SITE」を2023年9月1日付で開設すると発表した。
同社グループでは、「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」を掲げ、自社のみならず顧客の脱炭素化実現に向けた再生可能エネルギー(再エネ)や水素などの環境配慮ソリューションの開発を進めてきており、そうした流れを受けて今回、ガスヒートポンプエアコン(GHP)やマイクロコージェネレーションシステム(CHP)などの試験、開発を行うヤンマーESの岡山試験センターに、水素発電システムや蓄電池などのクリーンエネルギー機器の耐久試験や技術開発およびそれらを組み合わせた最適運用の実証試験を行う施設を設置することを決定したという。
同施設では主に、以下の3つの目的実現に向けた研究開発を進めるとしている。
- 実証:顧客のカーボンニュートラル化への取り組みを迅速にサポートできるよう、カーボンニュートラル関連の開発・実証試験を行うこと
- 認知:ヤンマーESがカーボンニュートラル化への取り組みを行っていることを改めて周知すること
- 対話:顧客のカーボンニュートラル化への考えや課題をヒアリングし、対話を通して共にその課題を解決していくきっかけの場とすること
また、主な実証機器としては以下の通りとしている。
- 水素燃料電池発電システム(自社開発中)
- 水素混焼エンジンマイクロコージェネレーションシステム(自社開発中)
- 水素燃料エンジンコージェネレーションシステム(独2G社製)
- エネルギーストレージシステム(蓄電池) (自社開発中)
- 水素製造装置(伊Enapter社製)
- エネルギーマネジメントシステム(Y-EMS)
なお、同施設の敷地面積は1000m2(見学者用ユニットハウスを含む)としており、脱炭素の取り組みを検討中の顧客向けに、ヤンマーESの開発の現状への理解を深めてもらうことを目的とした見学コースも準備済みだという。