大日本印刷(DNP)は8月30日、量子コンピュータのソフトウェアを開発するエー・スター・クォンタム(AQ)と資本業務提携を結んだと発表した。
両社は、最適な解を膨大な組み合わせの中から求める「最適化問題」に特化した計算技術である「量子アニーリング」をはじめとした、さまざまな量子コンピューティング技術や手法の活用を目指す。製造・物流などの生産計画や配送経路の「組合せ最適化」を高速で処理するソフトウェアを開発・提供する事業を推進していく考えだ。
矢野経済研究所によると、国内量子コンピュータ市場規模(サービス提供事業者売上高ベース)は2025年度の約550億円から、2030年度には約6倍の2940億円規模になると予測されている。
DNPは、顧客とする企業や団体が抱える多様な課題に対して、量子コンピュータやソフトウェアなどの量子技術を活用した解決策の提案やコンサルティングを行う体制を構築していいく。さらにDNPは、量子コンピュータのソフトウェア開発に関連した人材の育成や研究開発体制の強化を図る。
同社は今後、アニーリング・ソフトウェアなどの提供を通じて物流業界が直面する2024年問題をはじめとした人手不足の解決や、製造現場のDX推進、生産性向上に取り組んでいく方針だ。