ANAホールディングス(ANA)とポーラは、宇宙発想スキンケアブランド「COSMOLOGY(コスモロジー)」において、国際宇宙ステーション(ISS)でも使用できるスキンケア製品を販売することを発表した。
両社は、2020年より宇宙と地球の課題を解決することを目的としたプロジェクト「CosmoSkin(コスモスキン)」にて共同で製品開発を開始。ANAは航空機内が密閉された狭い空間で、湿度が低いなどISSと環境が似ていることから、そうした環境に対する知見の提供や客室乗務員による製品テストなどで協力してきた。
同プロジェクトは化粧品(顔用)として宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「第2回宇宙生活と地上生活に共通する課題を解決する生活アイデア募集」で初めて選定され、「コスモロジースペースクルーキット」については、2024年ごろに予定されている油井亀美也宇宙飛行士のISS長期滞在において実際に搭載される予定だという。
2023年10月1日から販売される予定のコスモロジースペースクルーキットは「コスモロジークレンジングウォッシュ」と「コスモロジーローションクリーム」で構成され、2024年1月1日からはキットと同じ内容物ながら容量やデザインが異なる単品製品も販売される予定となっている。
化粧品を開発するにあたっては、ISS内で使用するためには以下4点の条件をクリアする必要があったという。
- 限られた時間の中でも行える簡潔かつ凝縮ケアができる
- 貴重な水を使用しなくてもケアができる
- 扱いやすいかつ微小重力下での飛散を防ぐことができる
- エタノールやシリコーンの成分使用が制限された基準をクリアできる
こうした条件をクリアするために、クレンジングと洗顔の役割を果たすクレンジングウォッシュには「ウォータリークレンジング処方」を採用。これは90%以上を水成分とすることで、洗い流さず拭き取ることを可能としつつ、肌に乗せた際には飛散を防ぐぷるんとしたジェルが、伸ばすと肌なじみが良いみずみずしいローテーションのようなテクスチャーを実現するというもの。界面活性剤を通常よりも減らし、保湿剤にクレンジング機能を付与することで、肌に負担をかけない仕上がりとなっているという。
また、化粧水とクリームの役割を果たすローションクリームには「三次元立体構造処方」を採用。肌に乗せた際には固体感のあるジェルクリームが、伸ばすとみずみずしいローションに変化し、使用後の肌はミルクとクリームを重ねたようなつるんとなめらかな感触になるとしている。
さらに、容器は輸送時の重力と衝撃への耐久性を考慮されたものを採用しているほか、微小重力下でも無理なく使用できるようワンタッチで開閉可能なキャップ方式を採用し、容器の色味もクレンジングウォッシュがゴールド、ローションクリームが白とすぐに識別ができるよう工夫が施されている。
香りは、クレンジングウォッシュが清々しく気分が浄化されるような森林をイメージした「グリーンフローラル」、ローションクリームが安らぎを感じられるような地球の大地をイメージした「フローラルウッディ」。
山崎直子宇宙飛行士は動画内にて「無機質になりがちな宇宙空間のなかで、森や大地や自然を思い出させてくれる香りは大きな癒しになると思った。地上において資源が限られた状況、例えば災害時や入院中などでも役立つだろう。宇宙から地球をよりよくする、宇宙と地球をつなぐ取り組みがこれからより広がることを願っている」とコメントし、製品完成および販売を祝った。
なお、コスモロジースペースクルーキット(クレンジングウォッシュ 60g・ローションクリーム 30g)は7,480円で、ポーラショップやポーラ公式オンラインストア、ANA国際線機内販売、ANA公式サイト、国内免税店などで販売する。また、クレンジングウォッシュ(120g) 、ローションクリーム(50g)の単品製品は、クレンジングウォッシュが6,160円、ローションクリームが6,600円で、ポーラショップやポーラ公式オンラインストア、百貨店、ANA国際線機内販売、国内免税店などで販売予定だとしている。