NVIDIAは8月23日(米国時間)、2023年7月30日に終了した同社の2024会計年度第2四半期(5~7月)の決算を発表した。

それによると売上高は前年同期比101%増、前四半期比88%増の135億1000万ドルとなったほか、営業利益も前年同期比で1263%増(13倍)、前四半期比でも218%増(3倍)の68億ドルに急増。純利益も前年同期比843%増(9倍)、前四半期比203%(3倍)増の62億ドルとし、好調な結果となった。

同社の創設者兼CEOであるJansen Huang氏は、「新しいコンピューティング時代が始まった。世界中の企業が汎用コンピューティングからアクセラレーテッドコンピューティングと生成AIへ移行している。NVIDIAのGPUは、NVIDIAが有するMellanoxのネットワーキングおよびスイッチテクノロジによって接続され、CUDA AIソフトウェアスタックを実行することで、生成AIのコンピューティングインフラを構成している。当該四半期中、大手クラウドサービスプロバイダーが大規模なNVIDIA H100 AIインフラを発表しているほか、大手エンタープライズITシステムおよびソフトウェアプロバイダーもNVIDIA AIをあらゆる業界に提供するためのパートナーシップを発表するなど、生成AIの導入競争で有利な立場にある」と同四半期を振り返っている。

事業部別に売上高を見ると、最大の事業であるデータセンター向けの売上高は、前四半期比141%増、前年同期比171%増の103億2000万ドルとなり過去最高を記録した。また、2023年8月には生成AIやHPCのワークロード向けにHBM3eメモリを搭載した「NVIDIA GH200 Grace Hopperプラットフォーム」をリリース。同プラットフォームベースのシステムは2024年第2四半期に主要システムメーカーより提供される予定だとしている。

また、第2四半期から第3四半期頭にかけて「NVIDIA L40S GPU」や「NVIDIA MGX」、「NVIDIA Spectrum-X」などの新たなハードウェアや、世界的なシステムメーカーと協力する形で、最大4つの新しい「NVIDIA RTX 6000 Ada GPU」を搭載した新しい「NVIDIA RTXワークステーション」と、第3四半期に出荷予定のNVIDIA AI EnterpriseおよびNVIDIA Omniverse Enterpriseソフトウェアなどを発表しており、そうした中にはソフトバンクとの協業もある。ソフトバンクはGH200をベースとした生成AIおよび5G/6Gアプリケーション用プラットフォームを今後構築していく日本各地の新しい分散型AIデータセンターに導入していく予定としている。

それ以外のセグメントとしては、もう1つの柱であるゲーム向けの売上高が前四半期比11%増、前年同期比22%増の24億9000万ドル。プロフェッショナル・ビジュアル向けの売上高が前四半期比28%増、前年同期比24%減の3億7900万ドル。自動車向けの売上高が前四半期比15% 減、前年同期比15%増の2億5300万ドルとしている。

なお、同四半期の自動車向け事業のハイライトとしては、NVIDIA DRIVE Orinが新しいXPENG G6 Coupe SUVのインテリジェントな先進運転支援システムに搭載されたこと、ならびにMediaTekと提携し、AIとグラフィックス用の新たなNVIDIA GPUチップレットIPを集積した自動車用SoCの開発などを挙げている。