laed=米アーカンソー大学は、シリコンおよびSiCチップの製造が可能な国立施設「National Mulyi-User Silicon Carbide Research and Fabrication Facility(MUSiC)」の建設を同大キャンパス内で開始したと発表した。
米アーカンソー大学(University of Arkansas)は、シリコンおよびSiCチップの製造が可能な「National Mulyi-User Silicon Carbide Research and Fabrication Facility(MUSiC、米国立マルチユーザーSiC研究・製造施設)」の建設を同大キャンパス内で開始したと発表した。
この新しい半導体研究・製造施設は、米国政府、企業、大学がSiCウェハを用いたデバイスの試作を行うことを可能にする、現在の米国には存在しないユニークな研究・製造機能を導入するとしている。
同施設は、従来の大学での学術的な研究と民間企業のニーズとのギャップを埋め、大量生産のための少量試作を提供するものとなり、同大では半導体チップの開発研究からプロトタイピング、テスト、製造まで同じ場所で行うことにより、半導体の人材育成と技術進歩の両方を加速させることを目指すとしている。
MUSiCの研究責任者である同大電気工学科のAlan Mantooth卓越教授は、「MUSiCの設立によって、1990年代後半から2000年代前半にかけて国内サプライヤが海外に移転させていった半導体製造の国内回帰を進めるとともに、さまざまな学位レベルで次世代の人材育成・訓練を進めていくことができるようになる」と述べている。
なお、同施設の起工式は8月17日に開催されたCHIPSアメリカ・サミットとあわせて挙行されたという。同サミットは、全米の研究、産業、政府のリーダーを招き、CHIPS法による米国の半導体振興の機会について話し合うイベントで、同施設の設立は、CHIPS法に基づく米国半導体研究開発振興の一環として実行されたものとなるという。