世界半導体市場統計(WSTS)によると、2023年第2四半期の半導体市場は前四半期比4.2%増となり、2021年第4四半期以降続いていた前四半期比でのマイナス成長が止まったという。

  • 2020年第1四半期以降の四半期ごとの半導体売上高の前四半期増減率と前年同期比増減率

    2020年第1四半期以降の四半期ごとの半導体売上高の前四半期増減率と前年同期比増減率 (出所:WSTSのデータをもとにSI作成)

そうした市場環境の中、米Semiconductor Intelligence(SI)が2023年第2四半期の半導体企業売上高ランキングトップ15を発表した。同ランキングは、エンドユーザーに半導体を販売している企業を対象としたもので、TSMCやAppleのような自社製品のみに消費している企業は含んでいないほか、集計期間の8月中旬までの間に決算を発表していない企業についてはガイダンスの値を用いたものとなっている。

トップ15社中13社が前四半期比で増収を記録(NVIDIAはガイダンスの値)。注目はNVIDIAが前四半期の5位から3位にランクアップしたほか、SK hynixが前四半期比39%増という回復を見せた点。減収となったのはQualcommの同10%減とInfineon Technologiesの同0.7%減の2社。トップ15社の2023年第1四半期から2023年第2四半期までの加重平均成長率は8%(NVIDIAを除くと3%)となったという。

  • 2023年第2四半期の半導体企業売上高ランキングトップ15

    2023年第2四半期の半導体企業売上高ランキングトップ15 (出所:Semiconductor Intelligence)

また、2023年第3四半期のガイダンスを発表している11社のうち9社がプラス成長を予想。残り2社はInfineonの2.2%減とAnalog Devices(ADI)の5%減となっているほか、3大メモリメーカーはいずれも、2023年下半期に需要が改善する見通しを示している。これら11社の加重平均をかけたガイダンスは前四半期比2%増となっている。

なお、主要な半導体市場調査会社・機関の2023年および2024年の成長率を見ると、2023年はいずれもが2桁のマイナス成長を予測。最大の下げ幅は英Future Horizonsの前年比20%減で、最小の下げ幅はTechInsightsの同10%減で、SIでは同13%減と予測している。2024年については見通しを出している市場調査会社・機関は少ないが、いずれも2桁のプラス成長を予測している。各社の予測の違いはGartnerは前年比70%増、WSTSは同43%増といったようにメモリ市場の成長率の見込みの違いとなっており、SIでも2024年にはおそらく2桁の成長率を達成するとの見通しを示している。

  • 主要半導体市場調査会社の2023年および2024年の半導体市場予測

    主要半導体市場調査会社の2023年および2024年の半導体市場予測(2023年4~8月時点での予測値) (出所:Semiconductor Intelligence)