米Appleは8月21日(現地時間)、Apple Podcastsを利用するポッドキャスターのリスナーとビジネスの拡大を支援する3つのアップデートを発表した。クリエイター向けダッシュボード「Apple Podcasts Connect」で「Subscription analytics(サブスクリプション分析)」の提供を開始。また、年内に5つのホスティング・プロバイダーがDelegated Delivery(代理デリバリ)のサポートを開始し、秋にはLinkfireの測定機能を利用できるようにする。
サブスクリプション分析は、Apple Podcast ConnectのAnalyticsタブからSubscriptionsを選択する。「Overview」と「Trends」の2つのカテゴリーが用意されており、Overviewでは無料トライアルを開始したリスナー数、有料サブスクリプション数、無料トライアルから有料サブスクリプションに転換したリスナーの割合、サブスクリプションから発生する推定収益、購読者のステータスの内訳、国・地域などを確認可能。これらのモジュールは、過去30日や前月など様々な期間を設定してフィルタリングできる。
Trendsでは、視覚化ツールとフィルターを活用して、様々な視点から購読のパフォーマンスを把握できる。例えば、アクティブなサブスクリプションでフィルタリングして、購読ステータス別に購読者の内訳を視覚的に確認したり、[サブスクリプション期間]で売上をフィルタリングして月ごと契約と年間契約を比較するといった分析が可能。
サブスクリプションは新たな収益機会になるが、無料公開コンテンツとは別にプレミアム・コンテンツを制作し、配信を管理する負担が増える。そこでAppleは今年1月に、Delegated Deliveryを利用して番組やサブスクリプションのリリースの負担を軽減できるようにした。年内に、Audiomeans、Captivate、Podbean、Podspace、Transistorが加わり、計9つのホスティングサービスを利用できるようになる。Appleによると、今年1月にApple Podcastで利用できるようになったTriton DigitalのOmny Studioでは、新エピソードの50%以上がDelegated Deliveryを使ってApple Podcastsに公開されている。
マーケティング・プラットフォームのLinkfireがAppleと提携してポッドキャストに進出し、この秋にApple Podcastsに統合される。クリエイターはリスナーのプライバシーを尊重しながら、Linkfireを使ってランディングページを生成し、リスナーがそのページにどのようにエンゲージするかを測定できる。ページはデバイスを問わず動作し、リスナーをApple Podcastsの番組や購読につなげるように設計されている。他のアプリで番組にリンクしたり、ソーシャルチャンネル、ニュースレター、グッズショップ、ライブイベントなど、ポッドキャストのマーケティングを広げられる。