エヌエヌ生命保険は8月17日、2023年10月1日より開始するインボイス制度の準備状況について把握するため、全国の中小企業経営者7,225名を対象に実施した調査の結果を発表した。
中小企業経営者7,225名に、インボイス制度についてどの程度知っているか聞いたところ、「概要を知っている」は43.8%、「名前は聞いたことがある」は27.2%で、「具体的な内容まで知っている」は23.9%にとどまる結果となった。また、「全く知らない」という回答も5.1%と、制度開始が近いものの内容を理解できている人は少ない状況ということが判明した。
また、インボイスを発行するために「適格請求書発行事業者」として登録しているか聞いたところ、「登録している」が41.4%、「制度開始までに登録予定」が11.1%と、10月からの制度開始までに半数近くが登録することが分かった。その一方で、24.7%が「登録する予定はない」と回答し、約4人に1人が登録しないことが明らかになっている。
各項目の回答率を業種別に見ると、「登録している」は「出版・印刷関連産業」が69.1%で最も高く、「登録する予定はない」は「病院・医療機関・福祉業」が54.0%で最も高い結果となった。
適格請求書発行事業者として「登録している」「制度開始までに登録予定」と回答した人に、なぜ適格請求書発行事業者に登録するのか聞くと、「登録した方がメリットが大きいと思うから」(42.5%)が最も多く、「取引を打ち切られる可能性があるから」(33.4%)、「新規の取引を敬遠される可能性があるから」(26.8%)と続き、取引への影響に関する項目が上位となる結果になった。
加えて、仕入先の適格請求書発行事業者への登録状況を確認したか聞いたところ、54.9%が「いいえ」と回答し、半数以上が未確認であることが明らかになった。
仕入先に対して適格請求書発行事業者への登録状況を確認したという回答率を業種別に見ると、最も多いのは「製造業(医薬品・化粧品)」(44.4%)で、次いで「卸売・小売業(自動車・輸送機器・金属加工・精密機械)」(39.4%)、「運送・輸送業」(37.2%)だった。
また、仕入先が適格請求書発行事業者ではない場合はどのように対応するか聞いたところ、「これまで通り取引を継続する」という回答が半数近く(45.6%)で、「取引条件の変更を相談する」は2割未満(18.6%)となった。
仕入先が適格請求書発行事業者ではない場合も「これまで通り取引を継続する」という回答を業種別に見ると、「製造業(家電・電気機械器具・IT関連)」が54.4%で最も多く、「出版・印刷関連産業」の52.9%、「電気通信業・ソフトウェア・情報サービス業」の51.9%と続いている。