Microsoftはこのほど、Visual Studio 2022の最新版となるバージョン17.7を公開した。このバージョンではさまざまな機能改善が行われているが、中でも特筆すべき点は各種パフォーマンスが大幅に向上している点だ。MicrosoftのシニアシニアプロダクトマネージャーであるNayana Srikanthが、Visual Studio Blogの記事「Visual Studio 2022 – 17.7 Performance Enhancements」において、Visual Studio 2022 17.7で強化されたパフォーマンスについて詳しく解説している。
Nayana Srikanth氏によれば、Visual Studioでは最近、性能改善のために新しいテレメトリが追加され、それによって応答不能につながる過剰なCPU使用率とリソース割り当ての問題に関する新たな知見が得られたという。これがさまざまなトラブルシューティングや最適化につながり、結果としてバージョン17.7では全体で160を超えるパフォーマンスの問題が修正された。
パフォーマンス強化の具体的な内容としては、以下が挙げられている。
- [F5]キーによるデバッグの高速化
- C#でのLight Bulb(電球アイコンによる提案表示)のパフォーマンスの強化
- C#のスペルチェッカーにおけるメモリ消費の改善
- C++ Unreal EngineにおけるIntelliSenseの最適化
- ソリューションエクスプローラーの依存関係ツリーの正確性およびパフォーマンス改善
- ファイル内検索の検索時間の改善
- NuGetパッケージの復元操作で無限ループに陥った際の検出機能の追加
例えば、[F5]キーによるデバッグの高速化では、[F5]キーを押した際の処理が最適化されて、デバッガーとプロセスの起動にかかる時間が5~10%改善されたという。また、プログラムデータベースファイルの最適化も行われ、Unrealプロジェクトのデバッグまでにかかる時間が21%短縮されたとのこと。Light Bulbでは、提案するアクションの決定速度が向上し、書式設定の修正や型名の簡素化などのコード修正が大幅に高速化されている。
Visual Studio 2022 17.7は現在、Micrsoftの次のサイトからダウンロードできる。「Enterprise」「Professional」そして「Community」の3つのエディションが用意されており、エンタープライズ組織に該当する組織でなければCommunityエディションを無償で利用できる。