AMDが2023年8月1日に2023年第2四半期(4~6月)の決算概要を発表した。

それによると売上高は前年同期比18%減、前四半期比横ばいの53億6000万ドルとなり、市場予測よりもやや良い値を示した。また、純利益は前年同期比94%減の2700万ドル、前四半期の1億3900万ドルの赤字からは黒字へと益転を果たした。

  • AMDの2023年第2四半期の決算概要

    AMDの2023年第2四半期の決算概要 (出所:AMD)

部門別で業績を見ると、データセンター部門の売上高は、エンタープライズ需要の低迷に伴う一部の顧客の在庫レベルも上昇などもあり、第3世代EPYCの売り上げが減少したことから、前年同期比11%減の13億2100万ドルにとどまった。ただし、第4世代EPYCの売り上げがほぼ2倍に伸びたほか、EPYC CPU Enterpriseの売り上げも伸びた点や、Instinct MI300AおよびMI300X GPUが主要な HPC、クラウド、AI顧客にサンプル提供されるなど、明るい動きもでてきているとする。

もう1つの柱であるクライアント部門の売上高は、PC市場の低迷とPCサプライチェーン全体での在庫調整に基づく出荷数量の減少の影響で、同54%減の9億9800万ドルにとどまったとしている。ただし、前四半期比で見れば、Ryzen 7000シリーズの売り上げは増加しているとする。

このほかゲーム部門の売上高は、前年同期比4%減の15億8100万ドル。セミカスタム品の売り上げは増加したものの、ゲームグラフィックスの売り上げ減が影響したとする。組み込み部門は、同16%増の14億5900万ドルで、産業、ビジョンおよびヘルスケア、自動車、テストおよびエミュレーションの各市場で好調を維持したとする。 AMDでは、2023年第3四半期の売上高については、前四半期比でプラスとなる約57億ドル±3億ドルとの予想を示しているほか、203年第4四半期までにGPUで競合するNVIDIAに対抗できるAI向け半導体の本格投入を行うとしている。

また、次世代AI、データセンター、ネットワーキング、6G通信インフラストラクチャの戦略的研究開発強化の一環として、アイルランドでのアダプティブコンピューティングの研究、開発、エンジニアリング事業に対して1億3500万ドルを投資することも計画している。

なお、同社の会長兼CEOのLisa Su氏は、「第4世代EPYCおよびRyzen 7000の売り上げが伸びたこともあり、第2四半期は一定の成果を収めた。また、AMDのデータセンターAIソリューションに対する顧客の増加に対応するための主要なハードウェアとソフトウェアのマイルストーンの達成に向け、第4四半期にはMI300シリーズの正式発売と生産増加に向けた取り組みが順調に進んでいる」と下期については明るみ見通しであることを強調しているほか、AMDの副社長 兼 CFO 兼 財務担当者のJean Hu氏は、「第3四半期に目を向けると、EPYCおよびRyzenプロセッサに対する需要の増加により、データセンターおよびクライアント部門の収益がそれぞれ2桁の割合で増加すると予想している。ただし、ゲームおよび組み込み部門が減少する見込みで、売り上げの伸びは部分的に相殺されるだろう」との予測を示している。