アドビは8月7日、バックオフィス業務(経理・財務・会計・人事・労務・総務・法務関連業務)に携わる会社員500人を対象に実施した「バックオフィス業務のデジタル化に関する調査」の結果を発表した。バックオフィス担当者の約8割がデジタル化で働き方が柔軟になったと認識し、約2割が生成AIを業務に利用していることが明らかになった。

  • 普段の業務において、レポートや報告書作成など、毎日・毎週・毎月など 定期的に発生する業務は多いと思いますか?

    普段の業務において、レポートや報告書作成など、毎日・毎週・毎月など

定期的に発生する業務は多いと思いますか?|

この調査レポートは、6月7日~6月12日の期間、経理・財務・会計250名および人事・労務・総務・法務250名を対象に実施した「バックオフィス業務のデジタル化に関する調査」 の結果に基づく。

レポートや報告書の作成など、定期的に発生する「ルーチン業務」が多いと思うか聞いたところ、「とても多いと思う」が16.4%、「どちらかというと多いと思う」が36.8%で、合わせて半数以上の53.2%が普段の業務の中でルーチン業務が多いと感じていた。

紙の書類の使用頻度については「毎日使用している」が52.8%、「週に3~4日ほど使用している」が19.0%、「週に1~2日ほど使用している」が19.4%、「全く使用していない」が8.8%と、バックオフィス担当者の半数以上が紙の資料を「毎日」使用し、9割以上が「週に1日以上」使用していると回答した。

  • 日々の業務で紙の資料はどれくらい利用していますか?

    日々の業務で紙の資料はどれくらい利用していますか?

紙の書類を使用している業務は「見積書/請求書」が54.6%で最多、次いで「領収書」が49.6%、「打ち合わせ資料」が46.9%。今後デジタル化を希望する業務も「見積書/請求書」が36.1%で最多となった。紙の書類をデジタル化したいと思うか聞くと「全てデジタル化したい(なるべくなら紙で管理したくない)」が19.7%、「なるべくデジタル化したい」が45.4%と、合わせて65.1%がデジタル化を希望していることが明らかになった。

  • 紙の書類をデジタル化したいと思いますか?

    紙の書類をデジタル化したいと思いますか?

日々の業務で生成AI(ジェネレーティブAI)技術を取り入れているか尋ねると、「積極的に取り入れている」が5.8%、「少しは取り入れている」が15.4%と、生成AIを業務に利用している割合は21.2%に留まった。職種別では「人事・労務・総務・法務」関連の生成AI活用率が24.8%と、「経理・財務・会計」関連の回答者の17.6%よりも7.2%高い。

  • 日々の業務の中で、生成AI(ジェネレーティブAI)技術を取り入れていますか?

    日々の業務の中で、生成AI(ジェネレーティブAI)技術を取り入れていますか?

また、生成AIについて理解している回答者に対して、これからのビジネスにおいて最新テクノロジーの活用が必要か聞いたところ、約6割となる59.0%が必要だと思うと回答。生成AIを現在活用しているバックオフィス担当者が約2割に限られている一方で、約6割の回答者が今後生成AIなどの最新テクノロジーを仕事に取り入れる必要があると感じており、生成AIを含むテクノロジーを活用した業務効率化への期待の高さが伺える結果となった。

バックオフィス担当者に、新しいスキルを身につけるにあたり最も懸念している問題点を聞いたところ、「時間がない」が26.7%で最多、次いで「お金がかかる(26.0%)」、「やる気を継続できない(16.1%)」と続いた。「会社にスキル取得のための支援制度がない」も6.2%と、会社側の制度や体制も少なからず課題となっている。

  • 新しいスキルを身につけるにあたって最も懸念している問題点

    新しいスキルを身につけるにあたって最も懸念している問題点