Cadence Design Systemsは8月2日(米国時間)、同社の「Xtensa LXプロセッサファミリ」の第8世代となる「Cadence Tensilica Xtensa LX8プロセッサプラットフォーム」を発表した。

同プロセッサは、Tensilica IPソリューションの最適な電力効率を実現しながら、ますます高まるシステムレベルのパフォーマンスへの要求やプロセッサベースSoCデザインのAI要件に対処するために以下のような機能強化・新機能の追加がなされたという。

  • L2キャッシュ:前世代のXtensa LX7プロセッサ比でキャッシュベースサブシステムのパフォーマンスを50%以上向上、L1キャッシュへの負荷も低減
  • 分岐予測の改善:より重要になっている制御コードのパフォーマンスにおける高速化を実現
  • Arm AMBAインタフェースの強化:現在のハイパフォーマンスデバイスへの統合を容易化するオリジナルのAMBA 4 AXIインタコネクトおよび低レイテンシAPBインタフェースを強化し、プライマリーシステムバスへの負荷も低減しつつシステムパフォーマンスをさらに向上
  • iDMAの強化:複雑なDSPアルゴリズムにより構築された3D DMA転送を強化するとともに、圧縮/解凍機能を追加し、アクセス可能な物理アドレスを40ビットに拡張
  • 割り込み対応の拡張:厳しいシステムレベル要件に対応することを目的に最大128割り込みに対応

同社では、これらの機能強化は、車載、コンシューマ、組込型コンピューティング市場のエッジにおけるPervasive Intelligence(インテリジェンスの普及)に対する継続的な需要に対応するために実現されたものであると説明しているほか、Xtensa LX8プラットフォームは、DSP、マルチプロセッサ、インタコネクト、システムレベルIPに関する新製品など、プロセッサおよびシステムレベルデザインに向けたイノベーションを実現するための基盤としての機能を果たすとも説明しており、これらの機能強化により、Tensilica HiFi Vision、ConnX and FloatingPoint DSP、AIコントローラなどの同社製品ファミリの各製品を改善することが可能になるとしている。

なお、Xtensa LX8プロセッサは現在、先行顧客向けに出荷が開始されており、一般向けには2023年第3四半期の後半にリリースされる予定だという。