NECは8月4日、同社を含めた8の企業・団体(KDDI、KDDI総合研究所、情報通信研究機構、グリーンブルー、NEC、ピコラボ、さくらインターネット、凸版印刷)が、総務省の令和5年度情報通信技術の研究開発課題である「安全なデータ連携による最適化AI技術の研究開発」の委託先として選定されたことを発表した。
それを受けて、上記の8企業・団体にプラナスソリューションズ、ギリアを加えた、10の企業・団体によって、2023年7月28日に総務省委託研究開発「安全なデータ連携による最適化AI推進コンソーシアム」が設立された。
同コンソーシアムは、多様なデータを安全に連携させることを可能とする「分散型機械学習技術」の確立を目指したものだ。同技術を確立させることにより、プライバシーデータや機密データなどを含む実空間に存在するデータを分野の垣根を越えてAI学習に活用することを可能とし、分野横断的な社会課題の解決や産業競争力の向上に貢献していく狙いだ。
同コンソーシアムでは、「マルチモーダルAI技術の開発・高度化」「エッジAI技術の開発・高度化」「連合学習技術の開発・実用化」を主な活動とする。そして、3つの活動を組み合わせた分散型機械学習技術を活用し、具体的な社会実装シーンを想定した技術実証を行う。
マルチモーダルAI技術の開発・高度化では、多様なデータを組み合わせ複雑な予測を可能とする大規模マルチモーダル深層学習モデルの構築技術及び、実空間から収集するデータの差異を吸収可能な、ロバストなマルチモーダルAI技術の研究開発を行う。
エッジAI技術の開発・高度化では、マルチモーダル深層学習モデルを対象に、エッジ環境の限られた計算資源の規模に応じて、効率的に学習を行う技術の研究開発を行う。
連合学習技術の開発・実用化では、マルチモーダル深層学習モデルを対象に、多数のエッジ環境間におけるデータの偏りを前提とした高精度な連合学習技術の研究開発を行う。