シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクスは8月1日、生化学免疫自動分析装置の新製品「Atellica CI1900」の販売を同日より開始したことを発表した。
人手不足が深刻化し労働環境の過酷化が懸念される医療現場では近年、働き方改革に向けた動きが活発化している。しかし一方で、医療法の改正などの影響により、臨床検査技師が担う業務範囲が拡大し続けている。また少子高齢化や地域医療体制の充実を目指す動きから、多職種連携医療が求められ、臨床検査技師に求められる役割はさらに拡大する見込みだという。
加えて、医学の高度化・専門家により、検体検査においては膨大な種類の検査項目を確認する必要が生じており、臨床検査の現場においては、あらゆる業務の効率化が急務となっている。
こうした課題の解決に向け、シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクスは、検査機器制御の自動化や簡素化に重点を置いて開発された生化学自動分析装置や免疫自動分析装置、および手動業務を自動化するための各種付属装置などを連結させた「Atellica Solution」を、主に大規模施設向けに提供している。
そして今般同社は、大規模施設におけるバックアップ装置としての用途に加え、設置スペースやスタッフの数が限られる中規模施設での導入にも適した新製品として、Atellica CI1900を開発。同製品は、Atellica Solutionの3分の1程度のコンパクトなサイズながら生化学分析と免疫分析を組み合わせて実行できる、一体型自動分析装置だとしている。
新製品は、60本の検体が搭載できるラックハンドラーを搭載し、その投入口と搬出口が分かれているため、ラックの入れ替えを待つ必要がないとする。またラックをシャトルで双方向に動かすことで、生化学分析と免疫分析を並行して進めることができ、1時間あたりの検査数は最大1120テストに上るという。
またAtellica CI1900では、これまで手動で行われていた装置メンテナンスなどの作業を自動化できるうえ、メンテナンスの時間をあらかじめ設定することもできるため、スタッフが不在になる夜間などにメンテナンス作業を完了することが可能だとする。
また試薬や洗浄液などの消耗品を交換する際に、装置を止める必要がない点もメリットだといい、検査が効率的に行えることに加え、時間やシフトによる検査数のばらつきを防ぎ、業務負荷の均一化にも貢献するとしている。