伊藤忠商事は8月2日、東証プライム市場に上場する子会社の伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)に対し、伊藤忠出資の合同会社であるデジタルバリューチェーンパートナーズを介して、株式公開買い付け(TOB)を行うと発表した。
伊藤忠はCTC株の61.24%を保有しており、TOBにより、完全子会社化を目指す。買い付け価格は1株4325円で、2日の終値より約10%上乗せとなる。
伊藤忠はCTCの公開買い付けの要因について、「CTCの中長期にわたる持続的な成長施策を具体的に検討するにあたり、オーガニックな成長を前提としていたが、急速な市場環境・構造の変化などが生じる中、CTCが競争優位性を維持して持続的に成長していくには、既存のオーガニックな成長戦略のみでは不十分と考えている」と説明。
また、伊藤忠グループの経営資源を相互活用する際、CTCの少数株主を含む各ステークホルダーの利益を考慮した慎重な検討が必要になるが、両社が上場企業として独立した経営を行っている現状では、迅速かつ柔軟な意思決定を行ううえで、一定の制約が生じる状況もCTC非公開化の要因としている。