京セラは8月2日、滋賀野洲工場に同社の生産技術開発機能を結集させ、各事業部門の連携強化によるものづくり力強化を図っていくこと、ならびに次世代の技術者育成を目的として、新棟「野洲開発センター(仮称)」の建設を決定したことを発表した。

デジタル化が世界的に進む中、製造現場においてもAIやロボットの活用にようる生産性の向上や品質改善が求められているほか、地球規模でのカーボンニュートラルへの対応、デジタル技術やデータアナリティクスといった新たな技術を活用できる人材育成などが求められるようになっている。そのため、京セラでもそうした対応を図ることを検討。今回、各拠点の生産プロセスに関わる技術者を滋賀野洲工場に結集させ、部品事業におけるコア技術や製造プロセス開発の強化、スピードアップを図るとともに、生産技術部門や各事業部門の技術者間の共創や情報共有、技術者のトレーニングの場を整備することを決定したという。

新棟となる野洲開発センターは6階建てとなるの計画で、1階から3階までは、試作現場として、成形、分散・混合、焼成、レーザー加工といった部品製造に必要なコア技術、製造プロセスや設備の開発、カーボンニュートラル達成に向けた製造工程の最適化などが進められる予定としているほか、4階から6階までは、オフィスや共創カフェ、新人技術者の研修スペースとなり、スマートファクトリーに必要なDX知識を有した技術者の育成にもつなげていくと同社では説明している。

また、この野洲開発センターと、すでに稼働している国内の3つの研究開発センター(みなとみらいリサーチセンター、けいはんなリサーチセンター、きりしまR&Dセンター)で密接に連携を図っていくことで、京セラグループ全体としてのものづくり力の強化も推進していくとも説明している。

なお、野洲開発センターの投資金額は約130億円を予定しており、建設面積は4871m2(鉄骨、6階建て)、延床面積は2万6766m2。着工は2023年8月で、2025年4月からの操業開始を予定している。

  • 京セラ 野洲開発センター(仮称)の完成予想図

    京セラ 野洲開発センター(仮称)の完成予想図