東北大学、仙台放送、日本生命の3者は、2023年8月より眼疾患の早期発見に向けた取り組みを開始することを発表。その第一歩として、8月5日・6日に開催される「みやぎ元気まつり 2023」にて、目の健康状態を判定する視野チェックアプリ「メテオブラスター」VR版の無料体験会を3者共同で出展することも併せて発表した。

  • 視野チェックアプリ「メテオブラスター」

    視野チェックアプリ「メテオブラスター」(出所:仙台放送)

人間の五感による情報取得のうち9割弱を視覚が占めるとされるように、目の健康はQOL(Quality of life)に直結するものだが、近年はデジタル機器の普及の影響もあり、老若男女問わず目の休息時間が短くなっている。

また目の不調に気付くのは難しく、日本人において最大の中途失明原因である緑内障は、初期段階では自覚症状がないため、視野異常を感じて病院を受診するころには病状が進行していることが多いという。

しかしながら現状では、日本の眼底検査受診率は先進国の中で最低水準にとどまっている。そのため、目の疾患をいかにして早期に発見するかという問題は、あらゆる世代にわたって健康で豊かな生活を送るための重要な社会課題となっているという。

そこで東北大など3者は、業界・団体の枠組みを超えた連携により、東北大大学院 医学系研究科 神経・感覚器病態学講座眼科学分野の中澤徹教授監修のもとで、眼疾患の早期発見に向けた取り組みを開始する。なお8月には、3者で連携協定の締結を行う予定だとしている。

また3者は「みやぎ元気まつり 2023」にて、目の健康状態を判定する視野チェックアプリとして開発されたメテオブラスターのVR版について、無料体験会を共同で出展する。

宇宙空間を舞台とした同アプリは、東北大および仙台放送が特許を取得した技術をもとに開発したもので、画面中心に登場する隕石をレーザー砲で破壊しながら星(白い光)をとらえるシューティングゲームで、それを通してユーザーの視野状態を簡易判定し、目の健康についての自覚を促すという。今回出展されるVR版では、周囲360度が宇宙空間という没入感の中でユーザーが宇宙線のコックピットに乗り込み、宇宙空間を高速で移動しながら隕石を破壊するという、迫力あるゲーム体験を楽しめるとする。

メテオブラスターの概要動画(出所:仙台放送)

3者は今回の取り組みを皮切りに、それぞれの強みを活かしながらヘルスケアに関する研究を進め、眼疾患の早期発見や啓発活動などに取り組んでいくとしている。