オンセミは7月26日(米国時間)、同社のパワー半導体事業において、ソーラーインバータメーカー数社との間で、総額19億5000万ドルの長期供給契約(LTSA)を締結したことを発表した。
太陽光発電システムの構築に不可欠なソーラーインバータは、ソーラーパネルで発電された直流(DC)電力をグリッド互換交流(AC)に変換する役割を果たす。カーボンニュートラルへの要求が高まる昨今ではソーラーインバータに対する需要も拡大しており、その高性能化や変換過程における熱損失の低減などが求められている。
パワー半導体の垂直統合生産体制を保有するオンセミは、ソーラーインバータアプリケーションを商用から住宅用まで幅広く提供することが可能で、小型化・軽量化・高効率化を実現し、エネルギー損失を最小限に抑えることでシステム全体のコスト削減に寄与するとしている。
また同社は、最適化およびカスタマイズされたモジュール設計とパッケージング技術を備えたダイ技術の提供により、市場投入までの期間、製品開発、供給体制のレジリエンス、品質保証におけるソーラーインバータメーカーの競争力強化にも貢献できるとする。
なおオンセミは現在、経営戦略としてメーカーとのLTSA締結による長期的な事業拡大を方針としており、ソーラーインバータメーカー上位10社のうち8社とLTSAを締結しているとのことだ。
オンセミ パワーソリューションズグループのアドバンストパワー・ディビジョンでシニアバイスプレジデントとジェネラルマネージャを兼務するアシフ・ジャクワニ(Asif Jakwani)氏は、「太陽光発電は、最も成長が著しい市場の1つであり、大規模な再生可能エネルギー設備向けとしても最もコスト競争力の高いエネルギー供給源です」とのコメントを残しており、ソーラーインバータ市場におけるオンセミの技術優位性を強調した。