Intelが2023年第2四半期(4〜6月期)の決算業績を発表した。
それによると、GAAPベースの売上高は前年同期比15%減の129億ドルとなるも、純利益はコスト削減の効果が出て15億ドルを計上。3四半期ぶりの黒字転換を果たした。
同社はプロセスの微細化について、4年間で5つの技術ノードを達成し、2025年までにトランジスタ性能と電力性能のリーダーシップを取り戻すという目標達成に向けた取り組みを順調に推進していると説明しており、すでにPowerViaを使用したバックサイド電源のテストチップへの実装に成功、2024年前半にも発売予定のIntel 20A採用製品に組み込まれる予定だとしている。
ファウンドリが伸長も他事業部門は停滞
同四半期を事業部門別に売上高を見ると、主力のクライアントコンピューティング・グループ(CCG)は前年同期比12%減の68億ドル、データセンターおよびAI(DCAI)グループが同15%減の40億ドルとなったが、コンシューマ向けCPUの供給過剰は徐々に解消に向かっており、2023年後半から業績が回復すると同社では見通しを示している。一方のDCAIでは、本来CPUに割り当てられるデータセンターの予算がAI向けGPUに優先的に割り当てられているようで、業績の回復はCCGよりも遅れる見込みだとしている。
ネットワークおよびエッジ部門は同38%減の14億ドル、Mobileyeは同32%減の4億5400万ドルとマイナス成長となっているが、Intel Foundry Services(IFS)は同307%増の2億3200万ドルと伸長したという。
第2四半期の業績は、売上高および最終利益がともにガイダンスの上限やアナリスト予測を上回る結果となっており、同社のPat Gelsinger CEOは、「ファウンドリ事業の勢いを高め、製品とプロセスのロードマップにそって計画通り実現するなど、戦略的優先事項を実行し続けており、第2四半期の業績はガイダンスの上限を上回った」と述べているほか、David Zinsner CFOは、「2023 年の30億ドルのコスト削減に向けた取り組みが第2四半期の上振れに貢献した。利益率とキャッシュ創出を改善し、株主価値を高める中で、持続可能な成長と財務規律をサポートするため、業務効率とスマートキャピタル戦略に今後注力する」と述べている。
なお、2023年第3四半期については、売上高が129億ドル~139億ドルと第2四半期を上回る予想を同社では提示しており、背景にはPC向けMPUの供給過剰の解消による業績改善への期待があるもののみられる。