NECは7月28日、2023年度(2023年4月1日~2024年3月31日)第1四半期の決算説明会をオンラインで開催した。
今期より同社は、経営上の開示セグメントを「社会公共」「社会基盤」「エンタープライズ」「ネットワークサービス」「グローバル」の5つから、「ITサービス」「社会インフラ」「その他」の区分に変更している。併せて、グローバル競合他社との比較可能性を高めるべく、開示項目も変更している。
第1四半期の売上収益は、前年度比7.1%増の7065億円だった。調整後営業利益は同比74億円増の5億円で、新たな開示項目となるNon-GAAP営業利益は同比138億円増の6億円となった。
説明会に登壇した、NEC 執行役員常務 兼 CFOの藤川修氏は、「第1四半期は増収増益となり、年間予想の達成に向けて想定通りの進捗となった。セグメント別の要因としては、『ITサービス』の調整後営業利益が171億円の増益となった。『社会インフラ』で31億円の増益となった。『その他』は連結子会社の日本航空電子工業により減益。『調整額』は前年度に計上した資産売却益の剥落や、社内DX(デジタルトランスフォーメーション)投資の増加などにより103億円の費用増となった」と第1四半期の決算内容を説明した。
ITサービスセグメントについては、「国内」「海外(DG/DF、デジタルガバメント/デジタルファイナンス)」セグメントに分かれる。このうち、国内においては企業向け、官公庁向けのビジネスが好調に推移したことで、前年度比11.4%増の増収となった。調整後営業利益は、売上増に伴う利益増に加えて、国内のSI(システムインテグレーション)事業の収益性が向上し増益となった。
同セグメントについては受注動向も開示された。全体としては受注が前年度比で3%増加した。国内については、官公庁向けが好調に推移したほか、金融で大型案件の計上があったことでエンタープライズの受注が同比16%増加した。
社会インフラセグメントについては、テレコムサービスの海洋システムやOSS(運用サポートシステム)、BSS(ビジネスサポートシステム) を中心とした海外売上が増加したことで増収となったという。
年間の業績予想については、2023年4月28日の2022年度通期決算説明会で発表した年間予想値から変更はない。 藤川氏は、「セグメント別には、『ITサービス』では国内のIT需要が継続すると見込んでおり、民需向けを中心に増収を計画している。国内での売上増に伴う利益増に加えて、DGDFの収益性改善を見込んでいる。『社会インフラ』では、テレコムサービスおよびANS(Aerospace and National Security)ともに増収を計画。また、テレコムサービスの前年度の一過性要因の解消により大幅な収益増を計画している」と述べた。