半導体材料市場調査会社であるTechcetは、半導体業界全体の減速により、2023年のシリコンウェハ総出荷数量が前年比7%減となるとの予測を発表した。
また、2024年には半導体業界が好況に転じる見込みから、ウェハの出荷数量も回復し、同8%増へと転じるほか、将来的にはSOIウェハとエピタキシャルウェハの重要性が増していき、中でも300mmのエピウェハが高度なロジックでの存在感を増していくことから、その出荷数量は2027年までの年平均成長率(CAGR)6%で伸びていくことが予想されるともしている。
すでにシリコンウェハサプライヤの上位5社(信越半導体、SUMCO、GlobalWafers、Siltronic、SK Siltron)のいずれもが、2024年から2025年にかけて生産能力の増強を可能とする新たなグリーンフィールド拡張計画を発表している。しかし同社によると、こうした拡張プロジェクトの一部は現在の供給過剰気味の市場環境を背景に延期されているという。ただし、市況や長期契約(LTA)の状況に応じて、サプライヤ各社は2025年以降も生産能力を増強すると予想され、トップ5社以外の中国サプライヤなども、200mmおよび300mmウェハでの存在感を増すことを目的とした投資を継続しているとTechcetでは指摘している。
なお、Techcetでは、需給の不均衡は2024年には安定化し、2025年に再び供給不足になると見ているほか、2026年にかけては自然な在庫の増加に伴い、景気減速とその後の供給逼迫の緩和を予想している。