アルサーガパートナーズは7月27日、大企業および中小企業の経営者・役員を対象に実施した、ChatGPTに関する意識比較調査の結果を発表した。これによると、ChatGPTを推奨している大企業は51.5%、中小企業は14.9%であり、また大企業の78.2%と中小企業の49.4%が「専用のChatGPT環境を構築したい」と考えているという。
同調査は同社が5月26日~31日にかけて、従業員数1000人以上の大企業の経営者・役員101人および、従業員数20~100人規模の中小企業の経営者・役員107人を対象に、IDEATECHが提供するリサーチPRである「リサピー」の企画によるインターネット調査により実施したもの。
ChatGPT使用経験の有無を尋ねたところ、大企業では「ある」が56.4%、「ない」が41.6%、中小企業では「ある」が32.7%、「ない」が64.5%だった。
ChatGPT使用経験がある回答者に、どのような場面で使用したかを聞くと、大企業では「質問・調べ物」と「文章の作成・添削・校正」がいずれも66.7%であり、中小企業では「質問・調べ物」が74.3%、「文章の作成・添削・校正」が40.0%だった。
自社でChatGPTを業務で推奨しているか質問したところ、大企業では「一部の業務で活用を推奨している」が29.7%、「個人の判断に任せている」が26.7%だった。中小企業では「一部の業務で活用を推奨している」が11.2%、「個人の判断に任せている」が55.1%となった。
「積極的な活用を推奨している」または「一部の業務で活用を推奨している」という回答者に.自社の業務でChatGPTをどのような場面で使用しているかを尋ねると、大企業では「記事やレポートの作成・校正・添削」が69.2%、「長文の要約や概要の把握」が57.7%で上位に並ぶ。中小企業では、「記事やレポートの作成・校正・添削」が81.2%と最も多く、「ドキュメントの和訳や英訳」が37.5%で続く。
同じく「積極的な活用を推奨している」または「一部の業務で活用を推奨している」という回答者に、ChatGPT使用で特にメリットとして感じていることを質問したところ、大企業では「作業時間の削減につながる」が71.2%、「コストの削減につながる」が57.7%、中小企業では「作業時間の削減につながる」が75.0%、「コストの削減につながる」が56.2%だった。
ChatGPTの業務での使用を禁止しているという回答者にその理由を尋ねると、大企業では「情報漏洩や著作権等の観点への懸念」が60.0%、「社内での活用ルールを明確にできていない」が40.0%、中小企業は「人の手によるファクトチェックが必要」が50.0%、「情報漏洩や著作権等の観点への懸念」が25.0%となった。
全回答者に、企業専用のChatGPT環境を構築できるシステムがあれば自社の業務で使用したいと思うか聞いたところ、大企業では「非常にそう思う」が35.6%、「ややそう思う」が42.6%、中小企業では「非常にそう思う」が16.0%、「ややそう思う」が33.6%だった。
前問で「非常にそう思う」または「ややそう思う」とした回答者に、企業専用のChatGPT環境を構築できるシステムに対して具体的にどのようなことを望むかを質問すると、大企業では「機密性の高いデータの管理が可能なシステム」が48.1%、「実務とマッチする業務運用支援」が45.6%、中小企業では「機密性の高いデータの管理が可能なシステム」が49.1%、「実務とマッチする業務運用支援」が45.3%で、それぞれ上位に並んだ。
今回の調査結果を受けて同社は、「大企業と中小企業を比較した際に、大企業の方がChatGPTの業務活用に積極性を見せており、推奨するか禁止するかというルール作りについても、大企業の方が明確なルールを示しているケースが多いことが分かりました。大企業・中小企業に関わらず、将来的に企業専用の環境を整えたいという声が多く集まっており、今後、ChatGPTをどう業務に活用していくかが、業務効率化の重要な鍵となるのではないでしょうか」と分析している。