Overture Maps Foundation(OMF)は7月26日(米国時間)、オープンマップデータセットの最初のリリースを行った。
マップデータを利用したアプリやサービスの開発にあたって、既存のオープンマップデータは商業的なサービスや製品に必要な構造や最新の情報を欠いていることが多い。その一方で、AppleやGoogleのAPIを利用する場合には費用に関する問題を解決しなければならない。Overtureは昨年12月に、相互運用性のあるオープンマップデータの開発・提供を目指す新たなイニシアチブとして設立された。Amazon Web Services (AWS)、Meta、Microsoft、TomTom、The Linux Foundationが設立を主導。高品質で信頼性の高いベースマップデータを構築し、オープンデータライセンスで提供する取り組みを進めてきた。
26日に公開されたOverture2023-07-26-alpha.0は、「POI(Point of Interest)」「建築物」「交通」「行政境界(Administrative Boundaries)」の4つのデータレイヤーを備える。
- POI:MetaとMicrosoftがOMFに提供したデータにより、これまでオープンデータとして公開されていなかった5,900万件以上のPOIを含む。Overtureコミュニティは、公共データやクラウドソーシングによるローカルマッピングデータ、AI/ML技術など、様々なリソースや手法を用いて継続的にデータを改善、更新、拡張する。Placesデータセットは「CDLA Permissive v2.0」でライセンスされ、マップビルダーやロケーションサービスプロバイダーが自由に使用できる。
- 建築物:世界中の7億8000万以上のユニークな建物のフットプリントを含む。これはOpenStreetMap、MicrosoftのAIを利用したBuilding Footprints、Esriなど、様々なオープンデータ・プロジェクトの組み合わせにより開発された。
- 交通:OpenStreetMapプロジェクトのデータをOvertureのデータ形式で再構成し、一貫したセグメンテーション、速度制限やリアルタイムの交通情報といったデータの追加をサポートするリニアリファレンス・システムを提供する。
- 行政境界:国際的な利用をサポートするために40以上の言語に翻訳された地域名を含む境界データ。
これらのデータレイヤーは全て、文書化された標準的な方法によってマップデータを取り込み、利用できるように設計されたOvertureのデータスキーマによってフォーマットされており、相互運用も可能になる。