Ziff Davisは7月25日(米国時間)、「After WormGPT, FraudGPT Emerges to Help Scammers Steal Your Data|PCMag」において、サイバー犯罪者向けの生成AI(Generative Artificial Intelligence)技術が登場したことを伝えた。「FraudGPT」と呼ばれる邪悪なAIチャットボットがハッキングフォーラムで公開されていることがわかった。
FraudGPTは、7月上旬にサイバー犯罪者向けに公開された「WormGPT」と呼ばれるAIチャットボットと同等の機能が提供されているという。銀行を装った効果的なSMSフィッシングメッセージの作成やクレジットカード詐欺に適したWebサイトのプログラムの提供、クレジットカードへの不正アクセスの手助けなど、サイバー犯罪に悪用できるような情報をチャットを介して生成できるようになっている(参考「サイバー犯罪に特化したセーフティ機能がない生成AI「WormGPT」登場、注意を | TECH+(テックプラス)」)。
FraudGPTの開発者は、ハッキングされた情報や盗まれたクレジットカード番号を含むさまざまな情報を取り扱っているとみられており、これらの情報が今後このチャットボットサービスに統合される可能性が指摘されている。FraudGPTに使われている大規模言語モデル(LLM: Large Language Model)について開発者からのコメントはなく、使用料は月額200ドルと掲示されている。
FraudGPTが実際にハッキングツールとして役立つかどうかは不明だが、Ziff Davisはこの生成AI技術が説得力のあるフィッシングメールや他の詐欺手法を考案するハードルを下げる可能性があると警告している。時間が経てば経つほど、サイバー犯罪者が攻撃能力を高める可能性があるとも指摘されている。