ビズリーチは7月26日、転職サイトである「ビズリーチ」の会員を対象に実施した、転職に関するアンケートの結果を発表した。これによると、即戦力人材の6割が直近1年で転職意欲が向上しており、特に転職経験の無いビジネスパーソンの意欲が高まっているという。
同調査は同社が5月8日~14日にかけて実施したものであり、有効回答者数は790人。直近1年での転職に関する意識の変化を聞くと、61.1%が直近1年で転職意欲が向上したと回答し、30.5%が「以前から転職を検討していて、現在も意欲は変わらない」と回答した。
転職経験の有無別に比較すると、転職経験の無い回答者では、「以前は転職を検討していなかったが、現在は検討している」と回答した割合が転職経験のある回答者と比べて7.6ポイント高い。
さらに、年代別に比較したところ、30代以下で転職経験の無い回答者では「以前は転職を検討していなかったが、現在は検討している」との回答が17.8%だったのに対して、40代以上は25.9%であり、特に40代以上で転職経験の無い回答者において直近1年で転職意欲が高まっている。
「以前は転職を検討していなかったが、現在は検討している」という回答者にこれまで転職を考えなかった理由を聞くと、「現職に満足していたから」が66.4%で最も多い。また、「転職に対してネガティブなイメージがあったから」(13.7%)や「1社で勤め上げることが一般的だと思っていたから」(11.5%)といった、転職や従来型の雇用慣行に対する意識の変化も見られた。
現在転職を検討している理由を見ると、転職経験の有無で差が現れている。転職経験がある回答者では「年収を上げたいから」が45.9%で最も多い半面、転職経験の無い回答者では「現職の事業に将来性を感じられなくなったから」が44.6%で最も多い。
また、特に大きな差が出た回答を見たところ、転職経験がある回答者では、「現職では経験やスキルを生かせていないから」が34.3%であり、転職経験の無い回答者と比べて7.2ポイント多くなっている。
一方、転職経験が無い回答者は転職経験のある回答者と比べ、「他の産業や業界を経験し、スキルの幅を広げておいたほうがよいと考えたから」(21.7%)が10.8ポイント、「現職でやりたいことができなくなったから」(41.0%)が6.7ポイント、「新たな経験やスキルを身につける必要があると考えたから」(33.7%)が4.6ポイント、それぞれ多い。
転職経験があるビジネスパーソンは、自身の経験やスキルを生かせる環境を求めるなどキャリアアップを目的に転職意欲が高まるのに対し、転職経験の無いビジネスパーソンは従来型の雇用慣行や産業構造の変化を背景にキャリアを見直すなど、現職に対する意識が変化したことが転職を検討する動機となっていると、同社は推測する。
今回の調査結果について、同社代表取締役社長でビズリーチ事業部事業部長の酒井哲也氏は、「転職経験のないビジネスパーソンやこれまでは転職に消極的だった層も転職を検討し始め、特にビジネス経験豊富な40代以上の転職に対する意識が変化していることがわかる結果となりました」とコメントしている。