NECは7月26日、中日本高速道路(NEXCO中日本)と共同で、除雪車の梯団(ていだん)走行の自動運転化に向けて、技術開発に着手したと発表した。両社は2024年度内を目標に自立走行技術や、車間距離の保持技術の完成を目指して、試験走行や検証などを実施する。

吹雪による視界不良などの悪条件下では、複数の車両が連ねて走る梯団走行による複数車線の除雪作業が行われている。だが、梯団走行では先頭車両と後続車両が一定車間距離を保ちつつ、前面に装着した排雪板を少し重ねて走行する必要がある。

除雪車には熟練した運転技術を有する作業者と、除雪操作装置や周囲確認などを行う作業者が乗車して作業するが、高齢化や労働人口減少により除雪車の運転技術者の担い手不足が顕在化しており、梯団走行に関する少人化・省力化を目的として両社は今回の技術開発に着手した。

  • 梯団走行による除雪作業

    梯団走行による除雪作業

除雪車の梯団走行の自動運転化においては、各除雪車が異なる走行軌跡を自立走行する「自立走行技術」と、後続車両が先行車両と異なる軌跡を適切な車間距離を保ちながら走行する「車間距離の保持技術」を開発する必要がある。

除雪車は除雪作業開始前に隊列走行状態から梯団走行状態に展開し、梯団走行による除雪作業を行い、除雪作業終了後に梯団走行状態から隊列走行状態に収束する。

現在は、「隊列→梯団→隊列」と走行形態を変化させる際の先頭車両のハンドル操舵と2番目・3番目の車両のハンドル操舵・速度制御について、人の手を介さずプログラム制御する試験走行を開始している。

  • 梯団走行の展開と収束のイメージ

    梯団走行の展開と収束のイメージ