帝国データバンクは7月26日、同社が保有する企業概要ファイル COSMOS2(147万社収録)の中から、過去10年間で年売上高が100億円を突破した企業について抽出・分析し、レポートを公開した。

  • 100億円突破企業は非オーナー企業が7割

    100億円突破企業は非オーナー企業が7割

過去10年間で年売上高が100億円を突破した企業は1,823社であることが判明。これは国内企業全体の0.12%(およそ1,000社に1社)に相当するという。資本属性を分析すると、非上場企業が 1,823社中1,521社(83.4%)を占める。外資系企業は1,823社中27社(1.5%)と少ないが、3社に1社は飛躍的成長企業に該当し、オーナー企業は543社と約3割にとどまった。これらを踏まえると、100億円突破企業は法人等を株主としている企業が多く、上場企業や外資系企業が飛躍的成長を遂げやすいことが判明した。

100億円突破企業の代表者年齢では「60歳代」が551社で最多。 次いで「50歳代」の491社となった。飛躍的成長企業では「50 歳代」 が最多で88社、次いで「40 歳代」(73社)とs代表年齢が若い。

  • 代表者年齢分布は60歳代が最多

    代表者年齢分布は60歳代が最多

地域別では、「関東」が825社と突出し、次いで「近畿」(357社)、「中部」(209社)と都市圏が続いた。都道府県別に見ると、社数ベースでは「東京都」(635社)、「大阪府」(234社)、「愛知県」(110社)が上位。出現率では「石川県」(出現率 0.14%)、「長野県」(同0.11%)、「滋賀県」(同 0.11%)が上位となった。これらの地域は古くからの産業集積地で、100億円突破企業の大半が業歴50年以上であることなどから、地域経済に根ざした企業が着実に成長を遂げ、100億円を突破したケースが多いと帝国データバンクはみている。

  • 100億円突破企業の地域分布は「東京都」が3割を占める

    100億円突破企業の地域分布は「東京都」が3割を占める

業種別にみると、上位から「卸売業」(567社)、「製造業」(379社)、「サービス業」 (276社)と続く。出現率では「卸売業」(0.34%)や「製造業」(0.24%)が高く、「建設業」(0.05%)や「小売業」(0.05%)、「サービス業」(0.07%)が低く、業種ごとに大きなばらつきがある。販売量に一定の壁があり価格競争が激しいBtoCの業態では、100億円突破が難しい現状があると同社は推測した。

  • 100億円突破企業の業種は「卸売業」「製造業」が上位

    100億円突破企業の業種は「卸売業」「製造業」が上位

業種をさらに細かく見ると、単価の高い商材を扱う「建物売買業」(88社)が最多となり、次いで「一般土木建築工事業」(64社)、 「ソフト受託開発」(56社)と続く。出現率でみると、「半導体製造装置製造」が2.25%と最も高く、50 社に1社は100億円突破企業であった。以下、相場変動により業績が膨らみやすい「鉄鋼・同加工品卸」(1.48%)、「投資業」(1.27%)、「鉄スクラップ卸」(1.20%)が続く。

100億円企業をメインバンク別に見ると、社数ベースでは「三菱UFJ」(384社)、「みずほ」(304社)、「三井住友」(275社)。出現率では「みずほ」(0.49%)が最も高く、次いで「商工中金」(0.45%)がランクイン。「北國」(0.20%)や「八十二」(0.18%)、「滋賀」(0.15%)など、都道府県別でランクインした各地域の地方銀行が上位となった。

100億円突破企業のうち、年売上高伸び率が5倍以上となった「飛躍的成長」企業312社について、 その成長類型別でみると、成長産業を捉えた「成長市場型」が最多で127社(構成比 40.7%)、成長産業ではないが競争力を高めた「独自価値創出型」が99社(同31.7%)と続く。