日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)、NTT、NTT東日本は7月23日に国立競技場で開催された「明治安田Jリーグワールドチャレンジ2023 powered by docomo」において、APN IOWN1.0を活用して、リアルタイム性が求められる 「リモートプロダクション」と「8KVR複数同時映像伝送」の2つの実証を実施した。

スポーツ観戦におけるXR体験をより臨場感のあるものするには、低遅延かつ4K・8Kといった大容量映像をリアルタイムで複数映像を同時に伝送することが求められる。

この課題に対し、JリーグとNTTグループはIOWN構想の実現に向けた初の商用サービス「APN IOWN1.0」の特徴である「高速・大容量」「低遅延・ゆらぎゼロ」を生かし、解決を目指すことにしたという。

IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想。

今回はNTT東日本が提供するAPN IOWN1.0を活用し、国立競技場とeXeField Akibaを接続して2つの実証を行った。

リモートプロダクションの実証においては、複数の放送用カメラからの4K60p映像を非圧縮のSMPTE ST 2110で伝送し、eXeFieldのリモート映像システム機材にてカメラ映像の切替等を行うプロダクション業務を実施。

APN IOWN1.0の帯域が100Gpbs等と超広帯域であることにより、4K60P非圧縮という非常に高ビットレートな映像信号をマルチチャネルでリアルタイム伝送ができ、高品質なポストプロダクション結果を放送局へ返すことを実現したという。

8KVR映像伝送の実証においては、ピッチ脇に設置した2台の8KVRカメラで試合模様を撮影し、リアルタイムで映像を伝送。従来は一方向からのVR映像の視聴体験であったところ、APN IOWN1.0の活用により、アングル違いのVR映像を複数同時に高画質にて伝送することが可能になる。

これにより、遠く離れたロケーションであるeXeFieldにいながらにして、複数VRカメラを切り替えることで、あたかもピッチ脇を移動しているかのような自由な視点での新たな観戦体験を実現したという。

  • APN IOWN1.0を活用した実証のイメージ