経済産業省(経産省)によると、西村康稔経済産業大臣(経産大臣)が7月20日、インドのデリーを訪問し、アシュウィニ・ヴァイシュナウ電子情報技術大臣と会談し、「半導体サプライチェーンパートナーシップ」に係る協力覚書に署名を交わしたという。
米中対立を背景に世界的な半導体サプライチェーンの見直しが進むなか、政策対話を通じて日本がインドでの半導体製造を製造装置や半導体素材の面で後押しするという。一方、インドには半導体の設計で優れた技術を持つ人材が多く、人材面での協力やインド国内に半導体製造拠点を設けることも視野に入れ、協力を進める方針だという。
また、西村経産大臣は、JETRO(日本貿易振興機構)、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)、FICCI(インド商工会議所連合会)、TERI(インドエネルギー資源研究所)が共催した、「日印ディープテック及びクリーンエネルギーセミナー」に参加し、「日印産業共創イニシアティブ」の発表も行っている。同イニシアティブは、(1)イノベーションによる未来産業の創出、(2)既存産業の進化、(3)アフリカなどの新市場への展開、の3つを柱に、日印産業協力機関の設置など、協力の実施体制を強化して取り組んでいくという。
この西村経産大臣の訪印に先立つ形でRapidusの小池淳義社長も経産省幹部らとともに訪印し、ヴァイシュナウ情報技術大臣と半導体の設計ならびに製造における日印協力について会談の場を設けたことが同大臣の公式Twitterにて報告されている。
インド政府は、インドの高度な技術力を持った設計人材をRapidusに供給していくことで合意した模様である。Rapidusは将来、自社の2nmプロセス製造能力をインドの先端半導体を必要とする企業に売り込みたい模様で、インド最大の財閥であるタタ・グループの幹部との会談も行ったようである。