米Lattice Semiconductorは7月20日、車載向けのSolution Stackとなる「Lattice Drive」を提供開始した事を発表した。これに先立って行われた説明会の資料を基にご紹介したい。
現在Latticeの売り上げの約半分がインダストリアルならびに車載向けとなっているが、この中で車載の売り上げは、(絶対金額はともかく)伸びが一番高いとされる(Photo01)。
現状の車載分野で使われている用途はこちらである(Photo02)。
そうした伸びの大きな車載分野に向けた初のSolution Stackが今回発表されたLattice Driveである(Photo03)。
Lattice Driveは、将来的には様々なものが投入予定であるが、今回はこの中の一番下、Infotainment向けのソリューションのみが提供される。
具体的な適用例がこちら(Photo05)で、カメラやディスプレイ向けという、ある意味Latticeが昔から得意としていた分野である。
具体的には「Local Dimming Solution」(Photo06)で、要するに表示内容に応じてバックライトの輝度を動的に変化させることで、コントラスト比を上げたり省電力化を可能にするものだが、現在提供されているInfotainment向けMCUではこうした機能を持つものは存在しておらず、差別化の大きな要因になるとする。
ポイントは、これを既存のMCUとパネルの間に挟み込むだけで新機能を追加できる事である。他にも画面回転とかビデオスケーリング、フェールセーフモードなどの機能があり、こうした機能を持ち合わせていないMCUに組み合わせる事で利用可能になる訳だ。このLocal Dimmingについては、Lattice以外にサードパーティからもIPが用意されており、ニーズに合わせて使い分けが可能とされる(Photo07)。
ちなみにこのInfotainment向けのソリューションは、同社のNexusシリーズで利用可能になっており、すでにこれに対応したプラットフォームとIP、ツール、リファレンスデザイン、カスタム設計サービスが提供可能となっている(Photo08)。
ただNexusシリーズで利用できるのはInfotainment向けのソリューションのみで、今後提供される機能安全認証取得の設計ソフトウェアやドライバ/乗客/自動車のモニタリング、ADASセンサのブリッジングなどのソリューションはAvantシリーズのみがターゲットになるとのことである。