ASMLは7月19日(欧州時間)、2023年第2四半期の決算概要を発表した。

それによると、売上高は前四半期比2%増、前年同期比28%増の69億200万ユーロ。粗利益率は前四半期の50.6%から51.3%に上昇。純利益は前四半期比0.7%減の19億4200億ユーロとしている。

ASMLのピーター・ウェンニンク最高経営責任者(CEO)は、第2四半期の業績について「売上高と粗利益率はガイダンスの上限程度となり、好調であった」と説明しているほか、通期売上高についても、主にArF液浸露光装置の売上高が増加することを背景に、前年比で従来の25%増から30%増へと上方修正。粗利益率についても若干の改善が進むとの見込みを示している。半導体製造装置市場は、半導体の需要鈍化によるデバイスメーカー各社の投資が慎重になっていることから、同社でも「回復が遅れると予想される」としている一方、「現在、約380憶ユーロという受注残があることから、こうした短期的な不確実性を乗り切るための十分な基盤は出来上がっている」と、自社の業績について安定を維持できるとの見通しを示している。

露光装置の同四半期の販売額は約45億ユーロ。そのうちEUV露光装置は16億ユーロで、2023年上半期を通して203台の新規露光装置ならびに10台の中古露光装置が販売されたという。技術別でみると、ArF液浸が売り上げの49%、EUVが37%となっている。

  • ASMLの2023年第2四半期および第1四半期の売上高に占める技術別、用途別、地域・国別内訳および露光技術別販売台数

    ASMLの2023年第2四半期および第1四半期の売上高に占める技術別、用途別、地域・国別内訳および露光技術別販売台数 (出所:ASML)

地域・国別で売上高比率を見ると、台湾がトップの34%、2位は韓国の27%となっているほか、中国が第1四半期の8%から24%にシェアを拡大させており、輸出規制がすでに行われているEUV露光装置に続き、ArF液浸露光装置の規制が始まるとの噂が出てきた2022年のうちに、中国メーカー各社が駆け込みでArF液浸露光装置を購入したものが計上されたものと見られる。

なお、ASMLでは第3四半期の売上高について65億ユーロ~70億ユーロ、粗利益率は50%程度を見込むガイダンスを出している。