コロナ禍、経済的不安定性、さらに地政学的な不安の影響で、企業におけるコスト効率の意識はこれまでになく高まっています。DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めなければいけない現在、IT投資は必須であり、ビジネスリーダーはコストを下げる、あるいはコストの投資効果を高める方法を模索し続けています。
IT投資は、機器やソリューションに関する直接のコストに加えて、エネルギーやサステナビリティのためのコスト、人員にかかるコストなど、多様な側面から検討する必要があります。
そうした中、ストレージインフラをより戦略的に活用することで、これらのコストを抑えることが可能になります。今や、多くの企業がペタバイトを超える膨大なデータをストレージに保存しており、活用する時代に入っています。
ペタバイトを超えるデータアクセスにおける低遅延、高スループットのアクセスを必要とする企業がストレージコストを抑制するための方法にはさまざまなものがあります。以下、それぞれの方法について説明しましょう。
ハイパーコンソリデーション
近年、データ量が爆発的に増加しているため、企業が管理するストレージアレイはどんどん増えています。その数が10、12、15、20、40、またはそれ以上になると、ストレージの「増殖」に直面していることがわかります。
これらはデータストレージの容量に対するニーズの増加やワークロードの追加に応じて追加されます。仕方のないことですが、ストレージの数がこれほど多くなると、問題が発生しがちです。具体的な問題として、非効率的な管理、過剰なコスト、複雑すぎるデータセンター、不十分なストレージ管理、環境への悪影響、サイバー攻撃ベクトルの拡大、廃棄物の増加などが挙げられます。
これを解決するのがストレージのコンソリデーション(統合)です。Infinidatでは、このコンソリデーションという考え方を一歩進めた、ハイパーコンソリデーションを提唱しています。これは、ビジネスを中断することなく、20以上のストレージアレイを数台のInfiniBoxソリューションに変換することができ、よりシンプルな管理、コスト削減、高効率性、サイバーレジリエンス、グリーンIT目標に沿ったサステナビリティを可能にします。
ソフトウェアディファインドストレージ技術の進歩により、もはや25や50の異なる旧型アレイを用意する必要はなく、すべてのアプリケーションとワークロードをわずか数台のストレージプラットフォームに集約することができます。
ストレージシステムの統合によるデータセンターの簡素化により、電力と冷却費の節約、運用工数の最小化、ラックスペースとフロアスペースの縮小に加え、データセンターのストレージのCAPEXとOPEXの大幅な削減を実現します。また、ハイブリッドクラウドやコンテナネイティブ環境において、ストレージを統合することは、アプリケーションやワークロードのパフォーマンスの向上や、サイバーレジリエンスの強化、可用性の向上といったメリットももたらします。
人的資源のオーバーヘッドを最小化
IT業界では人材不足が続いています。ストレージ環境を管理する有能なエンジニアも例外ではありません。そこで、ストレージにIT運用のための人工知能(AIOps)を導入すれば、企業は人材不足の克服、運用の集中化、コスト管理の改善を同時に実現できます。
AIOpsは、基本的にITオペレーションを簡素化し、管理上のオーバーヘッドを削減し、データインフラに予測レイヤーを追加するダイナミックな方法です。AIOpsによって、データセンターの運用管理に必要なリソースを将来にわたって削減します。エンジニアが必要なくなるわけではありませんが、AIOps活用のための技能の習得は難しいものではなく、迅速な効率化が望めます。
今日の経済環境にとって特に重要なことは、高度な予測分析と問題の早期発見、そしてプロアクティブサポートを駆使して、過度な管理負担をかけることなく、変化するアプリケーション、ユーザー、パフォーマンスの需要に動的に対応することであり、AIOpsがその一つの回答となります。
フレキシブルな消費モデルの導入
ハイパーコンソリデーションやAIOpsは重要ですが、コスト削減という今日の企業の課題を満たすには、これらだけでは不十分です。企業がストレージ技術のニーズをどのように消費できるかを柔軟に検討することもまた重要です。
オンプレミスのデータセンター向けに機器を購入することを好む組織もありますが、予算に応じた容量や使用量に応じた支払い方法を可能にする、より柔軟でクラウドに近い調達モデルを好む組織もあります。
フレキシブルな消費は、過去5年間でエンタープライズITの世界に影響を与えた最も破壊的なトレンドと言えるでしょう。Infinidatでは、3つの異なる消費モデルを提供しています。
3つのモデルとは、ミッションクリティカルなアプリケーションのために大規模なストレージが必要だとわかっている企業を対象とした標準的な先行購入モデル、成長することを確信している企業を対象としたElasticモデル、柔軟性を重視する企業を対象としたFLXモデルです。
現在、あらゆる企業が独自の課題に直面しており、経済の不確実性が続いているため、今後もかなりの混乱が予想されます。
私たちは未来を完全に予測することはできませんが、企業は常に最良の結果を得るためのモデルを作ることができます。ストレージについても同じことが言えます。
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