Microsoftは7月13日(現地時間)、Windows IT Pro Blogの記事「Windows client roadmap update: July 2023」において、Windows 11の新しいロードマップを発表した。それによると、次期Windows 11のメジャーバージョンである23H2は「有効化パッケージ(eKB: enablement Package)」として提供されるという。
Windows 11 23H2は2023年第4四半期にリリースされる予定だが、eKBの場合は個別の機能のダウンロードは事前に段階的に行われるため、アップデート時のインパクトは最小限で済むことになる。
eKBは、現行バージョンに対して次期バージョンの新機能を無効化したまま段階的にダウンロードしておき、最終的な更新プログラムのリリース時に一斉に有効化するという仕組み。旧バージョンと新バーションで内部構造やソースコードに変更はないため、アプリケーションやデバイスの互換性に対するインパクトが少なく、更新時間も最小限に抑えられるというメリットがある。これまでは、Windows 10のバージョン1903から1909へのアップデートや、Windows 10 バージョン20H2から22H2へのアップデートでこのeKB方式が使われた。
Windows 11 23H2へのアップデートを予定しているユーザーは、これまで通り22H2で更新プログラムの適用を続けることが推奨されている。23H2の新しい要素はそれらの更新プログラムと合わせて事前に配信されるため、正式リリース時にスムーズに有効化することが可能になる。
Microsoftはまた、IoTデバイス向けのWindows 10 IoT Enterprise LTSC 2021について、2023年8月1日からボリュームライセンスでの販売も開始することを発表した。Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2021はこれまでOEMからのみ購入することができたが、ボリュームライセンスが追加されたことで、ユーザはより柔軟な選択を行えるようになる。
なお、通常のクライアント向けWindows 10は、現行のバージョン22H2が最終メジャーバージョンになることがすでに決定している。Windows 10 22H2のサポートは2025年10月14日に終了する予定となっている。