そごう・西武は7月14日、そごう大宮店にてAIカメラを活用した来店顧客のフロアをまたいでの行動分析の実証実験を開始したことを発表した。
そごう・西武では2022年4月よりAIカメラによる顧客の数の把握と属性(性別・年代)を推定する取り組みを開始。今回の実証実験ではそれに加えて、発展的な取り組みとして来店当日のフロアをまたいだ移動履歴(店舗内の位置、買い回りの順序、滞在時間)を分析する。
今回の実証実験では、そごう大宮店のメイン入口である2階正面入口と集客力の高い食品売場のある地下1階および7階催事場に計19台のAIカメラを設置する。
これにより顧客の来店目的が食品フロアへの目的購買なのか、非目的購買(ついで買い)なのかなどを可視化し、その分析結果をもとに、品揃え・店舗レイアウトの改善につなげ顧客体験価値の向上につなげるという。
今後はAIカメラを全館に設置し、ECの当たり前をリアル店舗でも当たり前にしていく構え。ECでは、顧客がどこから来て、どうサイトを巡回し、何を買ったのか、あるいはどこで離脱したのか、全て可視化されるので、その状態をリアル店舗でも実現していくという。
さらに将来的には、AIカメラで取得したデータと購買データを組み合わせて、出店しているテナントにサービスの一環として提供するなど百貨店としての新たな価値提供も目指す。
今回の実証実験はIdeinのエッジAIプラットフォームActcastを活用することで取得した情報をAIカメラ内での処理が可能となったという。そのため解析結果はテキストデータのみとなるため、顧客のプライバシーにも配慮したデータ収集で個人を特定せずに情報を活用することが可能となっている。