米国の半導体材料市場調査・コンサルティング会社TECHCETが、2023年の半導体材料市場予測を発表した。

それによると、2023年は半導体・電子業界全体の景気減速や世界経済の低成長、材料サプライチェーンにおける在庫レベルの上昇などの影響から、少なくとも前年比で3%減の696億ドルに留まると予測されるという。

ただし、最先端ロジックと自動車/パワーデバイスの増産により、2023年の材料市場の減速は限定的になる可能性があるともしており、そのまま2024年は回復傾向となり、市場規模は同8%増の750億ドルとなるとも予測している。また、今後5年間の年平均成長率は4%との予測も示しており、2027年には880億ドルにまで市場が拡大するとの見通しを示している。

  • 半導体材料市場規模の推移予測

    半導体材料市場規模の推移予測 (出所:TECHCET)

半導体材料市場は、現在、世界各地で建設が進められている半導体工場が稼働するにつれ、その規模が拡大することが見込まれ、300mmウェハ、エピタキシャルウェハ、一部の特殊ガス、および場合によっては銅合金ターゲットの供給逼迫が再び起きる可能性があると同社では指摘。その供給不足の程度は、材料供給業者の増産の遅れに応じて決まるとしている。それらの増産計画の一部は、現在の市場低迷の影響を踏まえ、延期されている状態にあるという。

なお、2024年以降の市場けん引役としては、EUV関連プロセスが年平均成長率20%、3D NAND関連が年平均成長率5%以上と予想されており、高度なフォトレジストや補助化学薬品の販売規模が拡大されることが期待されるという。また、先端ロジックや次世代メモリにおける新しいキャパシタや相互接続構造では、先進的なプリカーサの量と収益が急増する見込みで、TECHCETでは、特殊ガス市場が予測期間の最終年である2027年まで7%以上の年平均成長で成長すると予想している。