QPS研究所は7月13日、同社の小型SAR衛星QPS-SAR 6号機「アマテル-III」の最初の画像(ファーストライト)を公開した。
アマテル-IIIは同社ならびに北部九州を中心とした全国25 社以上のパートナー企業が開発・製造した小型SAR衛星で、2023年6月13日にスペースXの「Falcon 9ロケット」で打ち上げられ、打ち上げから約79分後に高度約540kmの軌道に投入され、それ以降、初画像の取得に向けた調整が続けられてきた。
今回、取得に成功した画像の中には、衛星の進行方向であるアジマス分解能1.8m、レンジ分解能46cmを実現した画像も含まれており、QPS研究所の代表取締役社長CEOを務める大西俊輔氏は、「今回、QPS-SAR 6号機によって画像を取得することは、準リアルタイムデータ提供サービスにおいて重要なマイルストーン」と今回の成果を説明している。
今回、取得に成功した画像は3枚。1枚目は2023年7月12日0:30(日本時間)に撮影された長野県松本市の様子で、分解能はアジマス分解能1.8m×レンジ分解能46cm(オフナディア角30度)、2枚目は2023年7月10日0:54(日本時間)に撮影された富山県富山市の様子で、分解能はアジマス分解能1.8m×レンジ分解能80cm(オフナディア角16度)、そして3枚目は2023年7月9日0:05(日本時間)に撮影された大阪府大阪市の様子で、分解能はアジマス分解能1.8m×レンジ分解能60cm(オフナディア角22度)となっている。
同社のQPS-SAR衛星2号機「イザナミ」と比べて、山々や田畑の様子、海の波の様子、そして川と河川敷の区別もしやすくなり、さらに状況把握がしやすくなっていることが確認されたとのことで、濃淡なども含めた視認性が向上しているため今後、SAR画像活用の幅が広がることが期待されると同社では説明している。
なお、同社ではこの後、引き続き衛星の姿勢制御の調整を行いつつ、アジマス、レンジ分解能ともに46cmの高解像度モードでの観測を実施する予定だとしている。