ソフトバンクは7月13日、国内における通信環境が整っていない地域や事業継続計画(BCP)対策などで高速かつ低遅延なデータ通信を利用したい企業や自治体向けに、衛星ブロードバンド・インターネット・サービスである「Starlink Business(スターリンクビジネス)」を、9月下旬に提供開始すると発表した。
同社はStarlinkの認定再販事業者として、工場や建設現場、船舶など、陸上および海上での多様なユースケースに対応するという同サービスの3つのプランの提供に加えて、同社が提供する法人向けソリューションと同サービスを組み合わせて提供するとのこと。
例えば、測位サービスである「ichimill」と組み合わせて、山間部などの通信環境が整っていない場所における建設機械の操作の自動化や、映像・音声通話サービスである「Visual Talk」と組み合わせて橋の点検作業の遠隔での支援など、多様な産業でDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進するとしている。
同サービスは、通信速度が下り最大220Mbps、上り最大25Mbpsのベスト・エフォート型の衛星ブロードバンド・インターネット・サービス。
多様なユースケースに対応するという「スタンダードプラン」(陸上向け)、「ポータブルプラン」(陸上向け)、「マリンプラン」(海上向け)の3つのプランを9月下旬から順次提供予定であり、ユーザー企業は利用の目的に合わせて容量を選択できる。
ユースケースのイメージとして同社は、1)通信環境が整っていない山間部での建設現場などにおける、工事の進捗の確認や設計図の共有など、2)BCP対策として、大規模災害などの有事に備え、既存のインフラとは別の通信手段の確保、3)通信環境が整っていない場所に設置する鉄塔などの、インフラ設備の監視、4)日本の領海内における、船舶の安全・安心な運航の支援などの4点を挙げている。
なお同社は、宇宙空間や成層圏から通信ネットワークを提供する非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network、NTN)ソリューションの、日本およびグローバルでの実現に向けた取り組みを推進しているといい、日本国内でOneWeb(ワンウェブ)を使用した衛星通信サービスの提供に向けた準備を進めている他、子会社であるHAPSモバイルと共に、成層圏通信プラットフォームの商用化の実現に向けた多様な技術開発を進めているとのことだ。