2023年7月12日から14日まで東京ビッグサイトにて開催されている、医療や福祉分野に向けた機器やシステムなどの展示会「国際モダンホスピタルショウ2023」で両備システムズは、メディカルAIや医療機器向けセキュリティーサービスの展示を行っている。
注目を集めていたのは、メディカルAI分野として岡山大学と共同で研究開発している早期胃がんの治療方法を病変部の画像からAIで判定するソリューション。
胃がんの治療方法は、ごく浅い層のがんの場合は内視鏡手術、それよりも深いがんの場合は外科手術が施されるが、実際の治療方針の決定は内視鏡画像をみて医師が自分の経験に基づいたうえで判断されているという。しかし、こうした深達度の判断は専門医でも難易度が高く悩むケースが多々あるほか、医師の経験が少ない場合は判断を見誤ることもないとはいえない状況だと言う。
そこで両備システムズは、AIが治療方針を判定してくれるこのシステムの開発に至った。特徴としては、さまざまな角度や色の内視鏡画像をAIが学習しているため、医師が分かりやすいような画像を選別し判断してくれるほか、使えば使うほど追加学習がなされていくため精度もあがっていくとしている。
現在のところ専門医の正診率が約70~80%であるのに対し、このサービスを使用した場合は約80%を超えるところまできており、今後も開発を進めさらなる精度の向上を果たしていきたいとしている。
また、セキュリティサービスの分野では、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応した同社独自の医療セキュリティパッケージサービスを提案。
現状、医療機関におけるセキュリティに関する導入意識はまだまだ低く、サイバー攻撃にあってからでないとセキュリティ強化の大切さを分かってもらえないことが多いのだという。
そうした背景もあり、同社が提供する「Ryoubi-MediSsec」(リョウビメディセック)は「セキュリティ脅威の可視化」「セキュリティ対策強化」「セキュリティの運用監視」「職員向け教育・訓練」「サイバーセキュリティ保険」「インシデントレスポンス119サービス」の6つの項目にわたるあらゆるサービスを展開し、それぞれの病院の規模や要望に合わせて提供することを可能としたサービス。
多角的に展開することでセキュリティ対策のソリューションを導入する障壁が少しでも下がり、病院内の情報を守ることに意識を向けてもらえればとブース担当者は語っていた。