インドでの半導体工場建設を共同で行うことを目指してきた台湾の鴻海精密工業とインドの多国籍コングロマリットVedantaだが、検討の結果、鴻海が手を引き、Vedanta単独で事業を進めることになった模様だと台湾メディアが報じている。
それによると、鴻海とVedantaはともにこの事実を認めているが、いずれも交渉決別となった理由については明らかにしていないという。当初の計画ではVedantaが63%、鴻海が37%出資した合弁会社を設立し、インド北西部グジャラート州に28nmプロセスを採用した300mmウェハ工場を建設。投資額は総額1兆5400億ルピー(約2兆6000億円)の予定で、2025年から月産4万枚の生産能力で稼働させるとし、両社はインドでの半導体製造に向けた合弁会社の設立覚書(MOU)に署名したことも発表していたほか、Vedantaは2022年9月に、印グジャラート州政府と、半導体工場設置などに関するMOUも締結していた。
なお、鴻海では、今後も引き続きインド政府の「Made in India」計画に協力していくとしており、すでに別のパートナー候補との接触を進めているという。鴻海は、半導体の先端製造技術は所有してはいないものの、成熟プロセスや車載半導体技術は有しており、インドでの半導体事業に対する意欲が強く、今後もインドでの投資やM&Aを継続する見込みだと台湾業界関係者は見ている。